2015 Fiscal Year Research-status Report
戦後恵那の生活綴方教育と石田和男の教育思想に関する総括的研究
Project/Area Number |
26381034
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Research Institution | Tsuru University |
Principal Investigator |
佐藤 隆 都留文科大学, 文学部, 教授 (70225960)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 道雄 放送大学, 公私立大学の部局等, その他 (40109236)
佐貫 浩 法政大学, 公私立大学の部局等, 教授 (60162517)
片岡 洋子 千葉大学, 教育学部, 教授 (80226018)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 生活綴方教育 / 地域にねざす教育 / 科学と生活の結合 / 子どもの学習意欲 / 教育における自由 / フレネ教育 / 表現と認識 / 協同学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は2年目を終え、最終年度に向かうところであるが、最初日本研究の3つの柱を再度確認し、次にそれぞれについての進捗状況を報告する。 現在、研究の柱としているのは①学ぶことと生きることのかい離による、子どもの学習意欲の低さや、生活における不確かが深刻化しており、それらは子どもの荒れや「いじめ」現象として社会的に問題となっている。こうした現実を相対化するものとして、本研究においては生活の事実と学習を結びつけ、その活動を通して子どもたちの関係をつくった生活綴方教育に注目し、その現代的意義と発展の可能性を明らかにすること。②その代表的な実践として展開された「恵那の教育」の理論的支柱であった石田和男の著述・発言を収集し、彼が「恵那の教育」にどのような貢献を果たしていたのかを検討すること。③生活綴方教育の現代的意義に照応するような世界の教育実践・思想との比較を行うことによって、その独自性と普遍性を明らかにすること。 以上を通じて、子ども理解と学習指導の関係構造把握における生活綴方教育の歴史的・現代的意義を確認する。 このうち①については、現代における教育課題を同定するための研究会を東京で行うとともに(東京2回、恵那2回)、各自が所属する研究会・学会等で論文発表等を行ってきた。②石田和男の著作・論文、諸資料については、恵那教育研究所による研究協力を得て、そのほとんどを網羅することができた。また、③については、フランス南部にあるフレネ学校を昨年に引き続き訪問し、その取り組みを観察するとともに、教師へのインタビューを試み彼らの持つ教育観についての検討を行うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の主要な柱である石田和関連の資料は講演メモ、あるいは講演の録音テープ、さらには自筆のメモ、未発表原稿を含めてそのほとんどを入手することができた。これらは、今後の「恵那の教育」研究にとって重要な手がかりになる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究分担者それぞれが、恵那の教育と石田和男に関する論文を完成させ、これらの理論的検討に入ること。また年譜・著作目録の整備を行うとともに、可能であればこれらをもとに「石田和男著作集」としてまとめることを視野に入れる。
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Causes of Carryover |
石田著作目録と年譜はほぼ完成したが、これらにかかわった研究協力者への謝礼が未払いとなっている。なお、未払いの理由については、どこまでをデータ化するのかという点についての見通しを研究協力者との間で共有できていなかったことがあり、その点の確認に時間を要していたからである。なお、この点については双方ともに現愛では確認できており支払いの準備が済み次第執行する予定になっている
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
「理由」に掲げた事項が解決したので、これについての執行行うとともに、フランス調査についての追加調査が必要となったために、これらに充てることを予定している。
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Research Products
(10 results)