2015 Fiscal Year Research-status Report
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26381038
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Research Institution | Saitama Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 由美 埼玉工業大学, 人間社会学部, 教授 (10399123)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 台湾留学生 / 朝鮮留学生 / 内地留学生 / 日本統治時代 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の具体的な目的は1)「留学生」に対する政策・制度の変遷と「留学生」数の推移を明らかにすること、2)学校別の「留学生」の送り出しと受け入れの実態を明らかにすること、3)「留学生」の就学状況や社会生活、進路の実態を明らかにすること、4)1)~3)を比較分析することにある。当該年度は当初、留学生の送り出し、受け入れについて学校の事例研究を行う計画であった。①対象とする学校の選定及び訪問、②学校文書や学籍簿、同窓会誌、学校関係者へのインタビュー、③初年度からの継続作業(年表・統計の完成版の作成、「留学生」政策・制度の変遷の文章化、インタビュー調査とそのまとめ)を研究実施計画として掲げていた。 資料調査は大韓民国で2回行った(2015年9月、2016年3月)。中央図書館、済州大学校図書館郷土資料室、光州教育大学校図書館他で学校史の調査を行った。また知人研究者の協力を得てナラ記録館での資料調査を行った。初年度に収集した資料、購入した復刻資料と併せて現在、内容分析を行い、年表や統計資料、政策・制度の変遷に反映させている。新たな資料としてミッションレポートにも注目し、目録から関係記事の抜粋を開始した。 個人情報保護の観点から学籍簿の閲覧は厳しくなっていることが予測されるが、「留学生」の送り出しと受け入れの実態を読み取ることのできる貴重な史料である。当該年度中には学校の選定や訪問には至らなかったが、現在も調査を継続している。 「留学生」を送り出した当時の台湾社会、朝鮮社会、それぞれの学校状況についても関心の範囲であり、当時の学校教育経験者へのインタビュー(補足を複数回実施)とまとめを行った。 総じて研究目的の1)~4)について継続中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
上記「研究実績の概要」で示した①~③の作業に、前年度に引き続き時間を費やしていることが理由である。学校教育経験者へのインタビューとそのまとめはほぼ終わっている。資料調査の範囲を拡大したこともあり、昨年度からさらに遅れることになってしまった。ただし全体としては多角的な視野で課題に向き合えている。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目の継続研究:①対象とする学校の選定及び訪問、②学校文書や学籍簿、同窓会誌、学校関係者へのインタビュー、③初年度からの継続作業(年表・統計の完成版の作成、「留学生」政策・制度の変遷の文章化) 学会発表:所属するアジア教育学会、または教育史学会において「日本統治下台湾・朝鮮からの留学生研究-就学状況・社会生活の諸相‐(仮題)」の発表を計画し、留学生の送り出し・受け入れ問題や時期的な特徴、台湾と朝鮮との違いなどの視点から、留学生政策・制度の全体像または一側面について発表する。 論文発表:学会誌への投稿を計画する。 必要に応じて、台湾、韓国、国内での資料調査、インタビュー調査を計画する。
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Causes of Carryover |
勤務先の業務の関係でまとまった期間の調査活動を行うのが難しく短期集中となった。当初、台湾での資料調査も計画していたが実現できなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
早めに台湾での調査旅行を計画しまとまった時間の確保に努める。国内調査も残っているため、時間の有効利用を心がける。
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Research Products
(3 results)