2016 Fiscal Year Annual Research Report
Training courses for kindergarten teachers at Tokyo Women's Higher Normal School in the early Showa era : An examination of lecture notes
Project/Area Number |
26381039
|
Research Institution | Shukutoku University |
Principal Investigator |
槇 英子 淑徳大学, 総合福祉学部, 教授 (20413099)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榎沢 良彦 東京家政大学, 家政学部, 教授 (10262487)
浅倉 恵子 常葉大学, 保育学部, 教授 (20369375)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 保育者養成 / 倉橋惣三 / 東京女子高等師範学校 / 児童心理 / 遊戯 / 講義録 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、発見された史料である昭和9年度に東京女子高等師範学校保育実習科に在籍していた川上須賀子が残した講義ノート(川上ノート)から、昭和初期の保育者養成の姿を明らかにすることであった。それらを手に取れるものにし、保育者養成の在り方の探究に寄与することを目指して、史料の現代語への書下しを行い、研究者間で検討した結果、主に2つの成果が得られた。 研究成果の中心は、倉橋惣三の保育者養成に関するものである。既刊の『倉橋惣三「保育法」講義録』との比較研究(27年度)から、川上ノートの史料価値を明らかにすることができ、その相違点からは、倉橋の授業スタイルを推察することができた。また、川上ノート特有の記述からは、比喩を交えた思わず聞き入るような授業であったことが理解された。最終年度は、「児童心理」講義録についての詳細な検討を行い、研究分担者・連携研究者と共に現代語書下し文を読み解き、それぞれの専門分野から出版原稿を作成した。その結果、『倉橋惣三「児童心理」講義録を読み解く』との出版が実現し(平成29年6月1日発刊)、当初の目的である、本史料に関心のある人に研究成果を届けるという目的を果たすことができた。 2つめは、昭和初期の保育者養成における「遊戯」の内容を明らかにできたことである。最終年度には、学会発表においてその史料価値と内容の詳細を明らかにし、現存する楽譜の調査等も行い、その教育的意義を検討した。また、文字とイラストのデータ化を行い、冊子を作成した。さらに現代語書き下しを行ったので、今後公開方法を検討したい。 その他の成果として、他教科「教育」「修身」についても、書下し文をデータ化できたことがある。これらの成果物をどのように還元していくかが未定であるが、本史料の存在を示せたことで、今後の幼児教育史研究において活かされる可能性を残した。
|
Research Products
(3 results)