2014 Fiscal Year Research-status Report
ポストモダン以後の教育哲学における規範の再創出―ポスト構造主義のフロイト解釈から
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26381046
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
下司 晶 日本大学, 文理学部, 教授 (00401787)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 教育哲学 / 教育思想史 / 教育学 / ポストモダニズム |
Outline of Annual Research Achievements |
現代の教育哲学は、ポストモダニズムの影響によって、今後の教育が目指すべき方向を語ることが困難になったといわれる。しかし、はたして教育哲学のポストモダニズム受容は妥当なものであったのだろうか。一面的に、批判と相対主義の思想としてポストモダニズムを受容してきたのではなかったのか。 本研究では以上の課題意識に立ち、現代社会において目指すべき教育のあり方を提示するための基礎作業として、教育哲学のポストモダニズム受容と、ポストモダン思想の積極的な価値を検討することを目的としている。今日は、ポストモダン状況によって、教育の個人主義化がますます進行し、社会的に有効な教育目的を提示できていない点といわれる。であればこそ、ポストモダン思想を正面から検討した上で、教育の規範を再構築することが必要である。 本年度の主な研究成果として、以下をあげることが出来る。(1)下司 晶「ポストモダニズムと規範の喪失?――教育哲学のポストモダン思想受容」広田照幸・宮寺晃夫編『教育システムと社会―その理論的検討』世織書房, 2014, 297-321.(2)下司 晶「社会/教育の二分法を超えて」広田照幸・宮寺晃夫編『教育システムと社会―その理論的検討』世織書房, 2014, 233-239.(3)下司 晶「見失われた啓蒙のゆくえ――教育哲学と教育実践、その関係性の転換」, 教育哲学会『教育哲学研究』第109号, 2014年5月, pp.42-48.(4)下司 晶「批判の力は連鎖する」, 教育思想史学会『近代教育フォーラム』第23号, 2014年10月, pp.1-4.(5)下司 晶・綾井桜子・白銀夏樹・辻 敦子・須川公央・森田尚人・森田伸子・今井康雄 「教育思想史の課題と方法・再論」, 教育思想史学会『近代教育フォーラム』第23号, 2014年10月, pp.217-226.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調に進展している。本年度の主な研究成果として、以下をあげることが出来る。 (1)下司 晶「ポストモダニズムと規範の喪失?――教育哲学のポストモダン思想受容」広田照幸・宮寺晃夫編『教育システムと社会―その理論的検討』世織書房, 2014, 297-321.この論文では、教育哲学のポストモダニズム需要を問い直した。 (2)下司 晶「社会/教育の二分法を超えて」広田照幸・宮寺晃夫編『教育システムと社会―その理論的検討』世織書房, 2014, 233-239. この論文では教育思想と社会構想の関係を問い直した。 (3)下司 晶「見失われた啓蒙のゆくえ――教育哲学と教育実践、その関係性の転換」, 教育哲学会『教育哲学研究』第109号, 2014年5月, pp.42-48.(4)下司 晶「批判の力は連鎖する」, 教育思想史学会『近代教育フォーラム』第23号, 2014年10月, pp.1-4. この論文では教育哲学と教育実践の関係を問い直した。 (5)下司 晶・綾井桜子・白銀夏樹・辻 敦子・須川公央・森田尚人・森田伸子・今井康雄 「教育思想史の課題と方法・再論」, 教育思想史学会『近代教育フォーラム』第23号, 2014年10月, pp.217-226. この論文では教育思想史の方法論を問い直した。
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Strategy for Future Research Activity |
計画通り、現代日本の教育哲学におけるポストモダニズム受容に関して検討する。特に、ミシェル・フーコー、ジャック・デリダ、ジル・ドゥルーズの三者が、学界でどのように受容されてきたのかを検討し、教育学・教育哲学のポストモダニズムの受容の傾向を明らかにする。(教育学におけるフロイト受容についてはすでに検討済みである。) ただし、「道徳の教科化」等、現在進行しつつある教育改革の方向性などを勘案しつつ、研究計画を修正することもある。現状を追認するための変更ではなく、研究的な観点から今後必要とされるであろう観点を事前に検討しておくための修正である。
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Causes of Carryover |
消耗品の購入を予定していたが、納入時期が業者と折り合わなかったため、2459円が繰り越しとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
消耗品費として2015年度に使用する予定である。
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Research Products
(11 results)