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2014 Fiscal Year Research-status Report

多言語多文化社会に生きる子ども達のドラマ活動の意義と可能性の研究

Research Project

Project/Area Number 26381047
Research InstitutionAsahi University

Principal Investigator

松井 かおり  朝日大学, 経営学部, 准教授 (70421237)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywordsドラマ活動 / 多言語多文化社会 / 子ども / 教育 / 地域
Outline of Annual Research Achievements

本研究は海外にルーツがあり多様な文化的背景を持つ子ども達が日本人地域住民と協同して行うドラマ・プロジェクトを調査し、これらの子ども達の発達を支えるドラマ活動の意義と可能性について考察することを目的とする。
平成26年度の成果は、観察対象地域で行われたドラマ活動の開始から公演までの参与観察と聞き取り調査を通じて以下のデータを得たことである。(1) 海外にルーツがある子ども参加者の学習・生活環境 (焦点児童の学校・家庭訪問調査による周辺関係者への聞き取りを含む)(2)プロジェクト内で実施された3種類のアート活動と、参加者間コミュニケーションの種類と頻度の関係(3) 過去のプロジェクト参加経験を持つ子どもの意識の変化、である。そのほか、過去のプロジェクト参加者および制作者たちから、ドラマ制作過程でのエピソードについて語りを得た。
子ども達の学校、生活環境の調査から、観察地域の海外にルーツがある子ども達は、同じエスニックグループ内の特定の人物のみと過ごす時間が長い傾向にあり、本ドラマプロジェクトに参加することによって、他のエスニックグループの人間と接する機会を得ていること、また家庭内で保護者との会話も増えるなど彼らの生活環境が変化することが明らかとなった。さらに焦点児童については、プロジェクト参加後、学校で教師やクラスメートと積極的に話をするようになったと担任教師が報告しているように短期間で態度の変化が確認された。
参与観察からは、ドラマ活動において、各エスニックグループ間の子ども達のやりとりを媒介するのは、主に日本人の成人参加者であったことなど、地域で行うドラマ活動の意義を考える上で多くの示唆を得た。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究実績の概要で述べたように、研究対象プロジェクトの参与観察とデータ収集は概ね順調に進んだ。しかし、当初観察項目のひとつに挙げていた参加者のセルフナラティブについては、平成26年度の参加した子ども達の大半が低・中学年児童であったため、観察が難しく、聞き取り調査やアンケート調査で補うことになった。さらに予定していた海外での学会発表はスケジュール調整が叶わなかったが、イギリスで、ワークショップを通じ多文化を背景に持つ人々の社会包摂をめざした活動を参観する機会を得て、活動実施者や彼らと協働している研究者と交流を持った。そのことによって、現在、多文化融合が国家・地域社会の最大の課題となっているヨーロッパに位置するイギリスのドラマワークショップ活動と本研究対象である多文化プロジェクトを比較対照することが可能となり、多文化プロジェクトの独自性と課題を考察することができた。

Strategy for Future Research Activity

当初の計画では、2年目も研究対象プロジェクトの参与観察とデータ収集を行う予定であったが、今後はその観察と並行して、多文化・多言語参加者に特化したドラマワークショッププログラムを企画し実施することをめざす。

Causes of Carryover

研究協力者を同伴しての海外学会発表を行わなかったため、予算計上していた外国旅費50万円を使用しなかったことから、当初の予算額を大きく下回った。

Expenditure Plan for Carryover Budget

27年度は、海外から多文化ワークショップの実践者を招聘し、観察対象地域の子ども達を対象に介入研究を行う予定である。そのための招聘費用として謝金を多く使用する見込みである。

URL: 

Published: 2016-05-27  

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