2016 Fiscal Year Annual Research Report
Educational Advisor Henry Dyer in Scotland:Applying Lessons from Japan to Scottish Engineering Education and Supporting Japanese Interests
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26381048
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Research Institution | Aichi University |
Principal Investigator |
加藤 鉦治 愛知大学, 法学部, 教授 (00109232)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | お雇い教師 / ヘンリー・ダイアー / スコットランド / グラスゴウ大学 / スコットランド工学殿堂 / P.A.ヒルハウス / 明治日本 / 工学教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
お雇いスコットランド人教師ヘンリー・ダイアーは,任務を終了し帰国してから,日本での体験と見聞にもとづいて日英交流の推進,日本研究,グラスゴウにおける技術教育改革を推し進めた。このうち、今年度は、日本研究,グラスゴウにおける技術教育改革について考察した。 日本研究では, 『大日本』『世界政治のなかの日本』等にみられるように,母国英国との比較研究にもとづいて日本をモデル国と位置づけ,日本から学んだ教訓を沈滞している英国の改革に役立てようとした。とくに日本の成長における教育の役割を重要視し,日本の経験は「英国への教訓となる」と説いた。 グラスゴウの技術教育改革は,講演および論説を通した言論活動,ならびに技術カレッジの統合・再編への参画を通して進められた。言論活動では,工部大学校における実践の成果とヨーロッパ大陸の実状についての視察・研究の成果とを参考にした。実践活動では,グラスゴウ・西部スコットランド技術カレッジが1886年に再編されたさい,工部大学校の学科課程や授業科目の移植,工学実験室の整備など実験室教育の重視,学理と実地を統合するサンドイッチ方式の導入,昼間部の学生向けに資格証明書を授与する制度の新設などに尽力し実現した。いずれも「日本での教育体験の成果を導入した」ものであった。 ダイアーは工学教育の近代化のために英国から招かれたのだが,帰国後は日本での体験と見聞にもとずいて改革を提言するとともに,日本をモデルにした改革を先導した。このような日本からの「還元」あるいは「持ち帰り」という側面について分析を深めることは,お雇い教師の歴史像の精緻化ないし再構成につながると考えられる。
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Research Products
(7 results)