2017 Fiscal Year Annual Research Report
The "Seikatsu-Tsuzurikata" (life composition) as a quest for reality with regard to language
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26381057
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Research Institution | Yamagata Prefectural Yonezawa University of Nutrition Sciences |
Principal Investigator |
安部 貴洋 山形県立米沢栄養大学, 健康栄養学部, 教授 (50530143)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 国分一太郎 / 生活綴方 / 現実探求 / 北方性教育運動 / メディア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、国分一太郎の生活綴方の成立過程を明らかにすることにある。現在、国分の生活綴方は「言語による現実探求」として高く評価されている。新教育に見られるような主体構築の教育に対抗する可能性が評価されているのである。だが、現実探求が可能となる条件等が先行研究においては明らかにされていない。本研究では、国分の生活綴方の成立過程を考察することでその条件を明らかにする。 本研究は、平成28年度で終了する予定であった。だが、平成28年度までの研究を論文としてまとめるとともに、研究をより精緻なものとするための期間を必要とした。具体的には、平成26年度から平成28年度までに実施してきた研究を、綴方教師としての資質と、その形成という観点から論文としてまとめた。綴方教師としての国分の資質に現実探求の条件をみることができる。綴方教師としての国分の資質に関しては先行研究も取り上げているところではあるが、体系的に論じたもの、現実探求との関係において論じたものはない。また、「概念くだき」に限ってではあるが、綴方教師としての国分の資質を北方性教育運動との関係においても論文としてまとめた。 また、綴方教師としての国分の資質、現実探求の側面をより明らかにするために国分の資質と立身出世気主義との対比を試み発表した。国分と立身出世主義との関係は先行研究においても言及されているが、綴方教師の資質との関係で論じたものはないように思われる。 平成29年度においては、これまでの研究を国分の資質という観点から論文としてまとめるとともに、「概念くだき」に限られてはいるが北方性教育運動における国分の理論的変化を論文としてまとめた。また、国分の資質と立身出世主義との関係を考察し発表している。
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