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2014 Fiscal Year Research-status Report

日本型インクルーシブ教育システムの融合的創成とその国際的意義に関する総合的研究

Research Project

Project/Area Number 26381063
Research InstitutionUniversity of Tsukuba

Principal Investigator

岡 典子  筑波大学, 人間系, 教授 (20315021)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 中村 満紀男  福山市立大学, 教育学部, 教授 (80000280)
Project Period (FY) 2014-04-01 – 2018-03-31
Keywordsインクルーシブ教育 / 国際情報交換 / 教育制度 / 教育の実態 / ドイツ / 障害児教育 / 移民教育
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、今後の国際社会において持続可能なインクルーシブ教育システムの総体を日本の主導によって開発し、これを新たな国際スタンダードとして提起することにある。本研究全体は、第1研究から第3研究までの3つの段階によって構成されており、第1研究ではまず、従来の国際スタンダードであった欧米モデルによるインクルーシブ教育の成果と限界を総合的に検証する。
初年度にあたる平成26年度は、この第1研究についてとくにドイツに焦点を当て、同国のインクルーシブ教育について、①目的、②インクルーシブ教育制度の整備状況、③対象と担い手、④教育の内容・方法、⑤成果と困難課題等の観点から分析を行った。なお、ドイツでは教育政策の権限と責任は州におかれているが、今年度は障害児教育の分野において比較的日本に近いシステムを有する南部2州(バイエルン州およびバーデン・ビュルテンベルク州)を主な対象とした。具体的には、各種の障害児学校および障害のある子どもが在籍する通常学校において教職員ならびに生徒に対してインタビューを実施し、その実態と意義と課題を把握した。さらに、バーデン・ビュルテンベルク州文化・青少年・スポーツ省において、インクルーシブ教育の担当者にインタビューを実施し、同州の現状と課題、今後の方向性について聞き取り調査を行った。
南部2州におけるインクルーシブ教育の特徴としては、①障害種別に基づく専門性を重視する立場から、障害児学校等の分離教育の場も維持されていること ②ドイツ国内でも経済的に豊かな地域であり、そのことがインクルーシブ教育政策にも多大な影響を与えていること ③インクルーシブ教育政策における障害児と移民の子どもの位置づけなどが挙げられるが、これらはいずれも今後「日本モデル」を構築する際に考慮すべき重要な観点となる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成26年度については、①文献研究、②調査研究の2つの手法により、第一研究をおおむね完了することを目的とした。
①の文献研究については、本研究が対象とする4か国のうち、日本とドイツについては当初の計画どおりに研究が進展したと考えているが、アメリカ合衆国と韓国については、さらに継続して分析作業な段階にある。全体としては、年度当初の計画からみて、おおよそ70%程度の達成状況にあると判断する。
②一方、調査研究については、きわめて順調に進展したと考えている。その主な理由は、研究課題応募の時点では想定していなかった長期間にわたるドイツでの現地調査が実現したことに関連する。一連の調査を通じて、同国のインクルーシブ教育理念・制度・実態については年度当初の予測を上回る詳細かつ貴重なデータを得ることが可能となった。加えて、研究者・障害学校教員・通常学校教員・教育行政機関におけるインクルーシブ教育担当者など、複数の専門家とのあいだに新たな協力・連携関係を構築することができた。本研究の対象国全体のなかでも、ドイツはとくに日本の特別支援教育と多くの類似点・共通点をもつ国であることから、同国との緊密なネットワークは、今後、本研究を進めていくうえで、きわめて有効に作用すると期待できる。
このことから、①、②の2種類の研究経過を総合的に判断し、「おおむね順調に進展している」と評価した。

Strategy for Future Research Activity

研究計画について、現時点では研究の方向性および手法に関する大幅な変更は必要ないものと考えている。
そのうえで、今後の推進方策としては、とくに①海外を中心に新たな研究協力者が得られたこと等に鑑みて、本研究にかかわる関係者のネットワークをより緊密化すること ②常に最新の情報にアクセスするため、未刊行の資料や一般には公表されない資料・データ等を含め情報の入手にいっそう努めること ③中間的な研究成果についても、ワークショップの開催等を通じてタイムリーな情報の公開に努めること 等に配慮しながら進めていくものとする。

  • Research Products

    (2 results)

All 2015

All Book (2 results)

  • [Book] 特別支援教育基礎論 第14章「世界におけるインクルーシブ教育の動向と課題」2015

    • Author(s)
      岡 典子・宮内久絵
    • Total Pages
      17
    • Publisher
      一般財団法人放送大学教育振興会
  • [Book] 特別支援教育基礎論 第15章「わが国におけるインクルーシブ教育システムの構築と特別支援教育」2015

    • Author(s)
      岡 典子
    • Total Pages
      15
    • Publisher
      一般財団法人放送大学教育振興会

URL: 

Published: 2016-05-27  

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