2017 Fiscal Year Annual Research Report
Study of the influences of prenatal training of music on the development of mind and body in the early childhood
Project/Area Number |
26381093
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Research Institution | Tokyo University of Social Welfare |
Principal Investigator |
岡村 弘 東京福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (30141732)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舘 秀典 東京福祉大学, 社会福祉学部, 講師 (90402148)
池田 琴恵 東京福祉大学短期大学部, こども学科, 講師 (70734169)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 音楽胎教 / 母親の生の歌声 / 生のオルゴール音 / ICオルゴール音 / NIRS |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度から平成29年度にかけて、意識的に母親が音楽胎教を行い、現在4歳になっている幼児に対してNIRS(近赤外光脳機能測定装置)を用いて、生オルゴールを聴取した時とICに録音したオルゴールを聴取した時の脳内神経活動を計測した。同時に母親についても同時に同様の測定を行った。この測定は、最初の計画では3歳児とその母親に行う予定であったが、3歳児がNIRSを装着することは困難であったため、1年遅らせて実施した。 特に、母親と子が同時に音楽を聴取した際の、両者の脳内神経活動を測定することにより、母親の音楽的嗜好と子の音楽的嗜好の因果関係を明らかにしようとした研究では、母親とその子どもでは脳内神経活動は、それぞれ音楽的嗜好に関して特に因果関係はなく、むしろそれぞれの環境の影響を受けた個としての特徴が表れているような結果となった。このことは、音楽胎教だけでは、4歳児になったときにその影響よりも環境の影響の方が大きいことを示す重要な結果となった。 また、国際幼児教育学会第38回大会では『音楽胎教時における胎動について』と題して発表したが、母親の生で聴かせる歌声やオルゴール音への反応と、ICで聴かせる音楽との間に差異はあるのか、あるとすれば、胎児はどのように感じ取っていると考えられるかを、母親の感じる胎動から推察しようと試みた。その結果、デジタル音に対して胎児の活動は活性化の反応をしている場合が多い。また、母親の歌う声では胎動が少ないあるいは少なくなることを示している。オルゴール音についても、変化なしと動⇒静を合わせると、50%以上あり、ここでも胎児の活動の沈静化がみられた。この結果は、母親の生の歌声や生のオルゴール音を心地よく聴取しているという新生児の脳内神経活動と一致するのではと考えられ、今後の胎教の在り方に一石を投じたのではないかと考えている。
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