2016 Fiscal Year Annual Research Report
社会的企業の中間的就労創出と「労働の場のエンパワメント」機能に関する実証的研究
Project/Area Number |
26381094
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Research Institution | Seigakuin University |
Principal Investigator |
大高 研道 聖学院大学, 政治経済学部, 教授 (00364323)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 社会教育 / 社会的企業 / エンパワメント / 中間的就労 / 協同労働 / 生活困窮者自立支援 / コミュニティ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、2015年(平成27年)4月に施行した「生活困窮者自立支援法」に先駆けて実施した生活困窮者調査から得た知見をもとに、とりわけ同制度の事業スキームの一つである「就労訓練事業(中間的就労)」に焦点を当て、それらの取り組みが職業的自立(移行支援)に果たす役割と課題を明らかにすることを目的とした。その成果は、国内の学会報告(社会政策学会/日本社会教育学会/日本協同組合学会)や海外(韓国)の招待講演等で発表し、制度としての中間的就労の現状と課題についての論考も執筆した。また、実務者(ワーカーズコープ)との共同で「中間的就労と協同労働」研究会を定期的に開催し、事例研究を重ねる中で全国約300事業所の中間的就労に関する実態調査(アンケート調査)にも取り組んでいる。 同制度がスタートして以降の全国の自治体や支援に取り組む社会的企業の調査からは、生活困窮者の「相談」事業の次のステップ(就労)につなげるためには多くの困難があることが明らかになった。とりわけ、職業訓練を中心とした「中間的就労」や一般就労への移行を前提とした自立支援のみならず、多様な働き方を許容するコミュニティ労働市場の形成が喫緊の課題であることが明らかとなり、あらたに「中間的労働市場」という枠組みから生活困窮者の自立支援・就労支援のあり方を検討することの必要性を提起するにいたった。 上記の問題意識のもと、本研究は研究計画を再構築し、研究計画最終年度前年度応募を行うこととした。新たに採用された研究では、職場内での働く関係性や労働編成過程への当事者の主体的関与(協同労働)の実践的理論の構築を基盤に、その実践が地域へと広がりを見せる中で、支援者―被支援者の関係を超えた双方向的なインクルージョン(社会的包摂)学習が如何にして生成するのかという問いを設定し、その展開条件と課題を実証的に明らかにしたい。
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Research Products
(5 results)