2014 Fiscal Year Research-status Report
インクルーシブ保育に関わる保育者のエンパワメントプログラムの開発
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26381098
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Research Institution | Showa Women's University |
Principal Investigator |
石井 正子 昭和女子大学, 生活機構研究科, 准教授 (20449094)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | インクルーシブ保育 / バーンアウト / エンパワメントプログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
1.千葉市幼稚園協会研修会(5月)、千葉市保育課主催研修会(6月)において、参加者対象に予備調査を実施した。研修会参加者 150名 アンケート回答者50名。内容は、現在保育者として仕事をし、バーンアウトにつながるような状況を経験したことがあるか、またインクルーシブ保育を行っていて、困っていること、対応に苦慮していること等について具体的な記述を求めた。今後エンパワメントプログラムを実施するとしたら参加可能か、日程的な希望、差支えない場合は連絡先を記入してもらい、次年度から開始予定のエンパワメントプログラムの開発、参加者募集に役立てる予定である。 2.9月1日~8日の日程でアメリカノースカロライナ州ウィルミントンで行われたティーチプログラムの研修会に参加した。ティーチプログラムは、環境の構造化、プログラムの構造化をはじめとした包括的プログラムによって、自閉症の子どもたちの社会適応を高め、地域社会で暮らしていけるようにするための教育プログラムである。今回の研修でTEACCHセンターが保育施設、学校等に提供しているプログラムは、保育者のバーンアウトを予防し、エンパワメントプログラムを考えるにあたり多くの示唆を与えられるものであった。また、視察の成果を臨床発達心理士実践研究論文として分担執筆者の一人としてまとめ投稿中である。 3.認定こども園においてインクルーシブ保育を行っている保育者へのインタヴュー調査。区立の認定こども園で保育者として勤務して3年目の保育者を対象にインタヴューを実施した。チーム保育を行うにあたって、ペアを組んでいる保育者との保育観の違いが大きな障害になっていることが浮かび上がり、保育観を共有できるような研修プログラムの必要であることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
・特別支援担当保育者向けバーンアウト傾向尺度を作成したが、項目数が多く、実施に時間がかかりすぎるため予定した研修会での実施が困難であった。項目数を絞り込み再編する必要がある。 ・当初個別指導計画の作成と振り返りのプログラムを調査協力園で実施する予定であったが、協力園での計画作成と実施について協力が得られず、未実施である。当該年度は、この部分の研究計画を延期し、バーンアウトの防止とエンパワメントプログラム作成に力を注いだ。新たな協力園を探して実施する予定である。 ・予備調査の際に、エンパワメントプログラムの参加者を募ったが、曜日の希望が保育士と幼稚園教諭、その他では異なり、また研究者自身の大学における勤務都合も併せて考えた時に、プログラム実施の日程と参加者の決定がうまく進んでいない。今後、実施可能な日程を決めた上で、再度そこに参加できるメンバーを募集することを考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
・6月中に特別支援担当保育者向けバーンアウト防止尺度の項目を再考して完成させる。そのうえで、プログラムの実施前後で使用し効果測定に使用する。 ・TEACCHプログラム視察の成果も取り入れ、エンパワメントプログラムを精緻化する。 ・6月中に平成26年度に実施した予備調査の結果を踏まえ、参加者を決定し、10月からエンパワメントプログラムを実施する。 ・個別指導計画の作成と振り返りのプログラムに関しては、エンパワメントプログラムとの連動を考えている。プログラム参加者の中から了解を得られたメンバーに個別指導計画の作成と振り返りにも協力してもらうことで、当初の計画をより実効性のあるものにしたい。協力者には研修プログラム終了後もアセスメントシートの活用をお願いし、平成27年度内を通じて、調査を継続したい。
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Causes of Carryover |
・当初年度中にデンマークへの視察を計画し予算を計上していたが、アメリカノースカロライナのTEACCHプログラム視察研修に参加することができたため、デンマークへの視察は延期した。また、海外視察の際には、通訳等の費用を計上していたが、臨床発達心理士会の企画研修であったため、通訳等の費用を別に計上する必要がなかった。 ・研修プログラムに使用する予定の、i-pad を試験的に1台購入し、活用手順を検討し、活用方法を具体的にしてから購入することとした。パソコンについても、まだ研修プログラムが開始されていないので、購入に至らなかった。案内パンフレット作成、研修資料作成、データの分析等について人件費を計上していたが、研修計画の詳細が決まっていないかったため、またデータの量が少なかったため、費用が掛からなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
・平成28年度にデンマークへの視察を実施する予定である。 ・i-padはエンパワメントプログラムの開始前に購入予定である。パソコンについても、エンパワメントプログラム開始前に購入予定である。次年度研修会の準備、実施、調査データ分析の補助業務に対し謝金を支払う予定である。
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