2017 Fiscal Year Research-status Report
国際成人教育協議会の発展過程におけるリージョン組織との関係に関する研究
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26381101
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
荒井 容子 法政大学, 社会学部, 教授 (70287837)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 成人教育運動 / 国際成人教育協議会 / 成人教育 / 社会教育 / 生涯学習 / 社会運動 / 国際成人教育会議 |
Outline of Annual Research Achievements |
1 国際成人教育協議会の北米リ-ジョンの組織に関係し、同協議会の発足とその後の20年にわたる発展期との関係が注目されるカナダの英語圏の成人教育組織、カナダ成人教育協会と国際成人教育協議会の関わりについて、その消滅のプロセスと、当時の国際成人教育協議会との関わりについて、インタビュ-を行い、具体的な状況をつかむことができた。また、当時の活動資料(第1次資料)の存在を確認することもでき、その一部を複写で入手することができた。 2 上記のカナダ成人教育協会の消滅の理由については、カナダの研究者の間でも共通の認識がなく、諸説があることが、新たな諸説を口頭情報で得て、改めて確認できた。 3 上記のカナダ成人教育協会について、1930年代草創期の研究、女性の担い手に焦点をあてた研究、それぞれについて研究している二人の研究者と出会うことができた。 4 フランス語圏のカナダ成人教育協会と、ケベック州での成人教育施策の関係についての概要と重要文献の存在を確認することができた。 5 第6回ユネスコ国際成人教育会議後の中間総括会議に参加することで、国際成人教育協議会の国際施策への具体的な取り組み、関心を、参与しつつ、観察することができた。また、ラテンアメリカ・カリブ海リ-ジョン組織のユネスコ会議に連動した取り組み、他のリ-ジョンと比較した積極的な活動展開の一端を、情報として得ることができ、後のインタビュ-等の調査にむけた手掛かりをもつことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
国際成人教育協議会の北米リ-ジョンとアジア・パシフィックリ-ジョンについて、リージョン組織の情報収集は進んできている。ただし、リ-ジョン組織内の各国の成人教育運動の展開と同リ-ジョン組織との関係についての調査は、調査設計ができていない。北米リ-ジョンでのカナダとの関係について、昨秋に重要情報の所在と一部の入手ができたが、まだ十分な入手を終えられなかったためである。なお、両リ-ジョンとも、課題の大きさからみて、特定国にしぼって関係把握をすることに限定する必要があったが、その決断が遅れたためである。 ヨ-ロッパリ-ジョン組織については、文献による概要把握の可能性は開けているが、インタビュ-等による、その発展史に関わる情報・資料情報の把握ができていない。 他のリ-ジョン組織については、まだ、概要把握のための情報収集ができていない。 ヨ-ロッパ及び他のリ-ジョンにいては、当初より、概要把握を目標にしてきているが、どの程度の情報で概要把握をよしとするか、決断が遅れたためである。
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Strategy for Future Research Activity |
1 情報収集の濃淡を前提に、表面的になることを承知のうえで、国際成人教育協議会の各リージョン組織の概要を描く。 2 各リ-ジョン組織の発展史を担う人物及び特定の国の成人教育運動との関係についての仮説を立てることができるまでの情報を収集する。 3 北米リ-ジョン、アジア・パシフィックリ-ジョンについて、より詳細な調査を行う。 4 ヨ-ロッパリ-ジョンについて、特に、国際成人教育協議会発足以前からの組織の存在の意味も含めた確認作業を行う。 5 国際成人教育協議会の発展の意味を、各国の成人教育運動及各リ-ジョン組織の発展と関連させて把握するうえでの、調査及び分析課題の析出につなげる。
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Causes of Carryover |
国際成人教育協議会が、各国組織とどうかかわったかについて、特に1990年代のその具体的な取り組みの一端が分かる資料の存在が分かった。また、これらの取り組みを支えていたカナダ成人教育協会が、当時のカナダの政策動向の中で、成人教育運動として混迷していく過程の内部資料及び当時のカナダの政策動向を探るうえで示唆的な資料があることがわかった。しかし、追加の渡航日程をとることができず、これらの資料の複写入手を十分に行うことができなかった。 また、アジア・パシフィックリ-ジョン組織について、この組織の発展の鍵をにぎる人物へのインタビュ-を行う必要があり、本人との連絡はとれているが、日程調整ができなかった。平成30年度に実施予定である。
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