2016 Fiscal Year Annual Research Report
Comparative Studies between Japan and USA of the Characteristics of Educational Policy introduced by Political Educational Reform
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26381103
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
小松 茂久 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (50205506)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 教育改革 / ニューヨーク市 / 首長主導 |
Outline of Annual Research Achievements |
3年間の研究の最終年度として、これまでの研究の進展状況を踏まえつつ、必要に応じて補充調査を実施するともに、研究成果の公表にも注力した。本課題は共同研究として計画しており、大きくは国内研究班と海外(アメリカ)研究班に分かれてそれぞれの研究成果について確認し、両班の意見調整をほぼ毎月行った。国内研究班は、個別の自治体での首長主導教育改革の内容的特徴を抽出することに努力した。たとえば、大分県の小規模2都市を対象に首長主導教育改革の比較研究を実施した。その他に大阪府下の市長主導による私学との連携の実態と課題について検討した。また、東京都の島嶼部(神津島村)を対象とした小規模自治体での放課後児童健全育成事業を媒介とした首長と教育長との連携などについて考察を進めた。これらの研究成果は平成28年度中に研究論文として公表した。また、外国研究班は米国のニューヨーク市を訪問調査し、特に市長と教育長の両名主導の教育改革の実態と課題について検討を行った。特に注目したのは、多数の低学力校校長の解雇にともなう校長確保の観点から行政主導による短期校長養成機関であるニューヨーク市リーダーシップアカデミーの創設である。同アカデミーを訪問調査することによって、従来の大学における養成とは抜本的に異なる校長養成機関の創設と運営の現状と課題について聴取することができたとともに、これらの新規機関の設置も含めたブルームバーグ市政下の教育改革の実態と問題点について論文を公表した。 今後の研究への示唆として以下の点で成果があった。わが国および米国の自治体における市長主導の教育改革の事例研究を蓄積して、いかなる契機があれば教育委員会ではなく首長が主体となった改革が実施されるのか、その改革の特徴と問題点は何かについて検討を進めるための視点と方法論を見出すことができた。
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