2016 Fiscal Year Annual Research Report
An effective psychological help program to promote the mental health of the childcare workers
Project/Area Number |
26381111
|
Research Institution | Tokyo Rissho Junior College |
Principal Investigator |
池田 幸代 東京立正短期大学, その他部局等, 准教授(移行) (50591533)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 教育学 / 幼児教育・保育 / 精神的健康 / 保育者ストレス / ストレスコーピング / 心理的援助 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、保育者の精神的健康を維持するために有効な心理的援助プログラムを開発することを目的としている。本年度は(平成27年度)は、研究実施計画に沿って、次年次に完成させた保育者特有のストレスコーピング尺度の4因子のうち、精神的健康の悪化を防ぐうえで最も有効だと考えられる「積極的解決コーピング」に焦点を当てた認知行動療法を援用した面談を実施し、面談前に行ったGHQ12の測定値を対象者毎に半年間の期間で確認したところ、全員精神的健康が維持・上昇する結果を得られ、面接介入の効果があることが分かった。対象者は、職場と職位の異なる、保育園園長1名・幼稚園園長1名・保育所保育士2名・幼稚園教諭1名とした。 面談の目安とした、保育者ストレスコーピング尺度については、幼稚園教諭・保育所保育士1580名を対象とし、聞き取り調査と庄司らの「職場用コーピング尺度」(1992,庄司正実・庄司一子)を参考に、新しく作成した質問紙調査より、「積極的解決」「放置・回避」「仕事外の充実」「慎重・冷静」の4因子を得た。そのうち、GHQ28で測定した保育者の精神的不調を有意に低減させる因子は「積極的解決」のみという結果を得た。ゆえに、先行研究より参考にした庄司らの「職場用コーピング尺度」は、コーピングの有効性の測定を目的としていないものであったが、本研究により、保育者の職場ストレスに有効なコーピングが明らかになった。 本年度(平成28年度)行った面談介入によって精神的健康の維持・上昇という一定の成果が見られた。面接の逐語録より、保育者の語りが、現在の不満や状況報告的内容から、仕事における優先順位や「何よりも子どもが第一」といった内容へと変化が見られ、「積極的解決コーピング」の下位項目からも、説明のつくものであった。
|