2018 Fiscal Year Research-status Report
誤解事例を通して保護者―保育者間のコミュニケーション改善をめざす研究
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26381112
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Research Institution | Kyoto Bunkyo Junior College |
Principal Investigator |
張 貞京 京都文教短期大学, 幼児教育学科, 准教授 (50551975)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真下 知子 京都文教短期大学, 幼児教育学科, 准教授 (80551978)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 誤解事例 / 保護者 / 保育者 / コミュニケーション / インタビュー / フリー保育士 |
Outline of Annual Research Achievements |
①2016年度末に実施した保育者へのインタビュー調査について分析を行った。 現職保育者へのインタビューは、21名の協力希望者を対象に実施したインタビューについて分析を行った。誤解体験を尋ねるインタビューであったため、条件を指定せず、協力希望者に関しては全員を対象とした。そのため、性別では女性が18名、男性が3名、職歴は2年目から40年目までと幅広かった。また、立場の違いからは、クラス担任保育士が17名、主任保育士が3名、フリー保育士が1名であった。誤解体験に関する21名の傾向としては、20名が何らかの誤解体験をしており、誤解が発生した場で解決できたものから、深刻な心身症状を来したものまであった。誤解体験が保育者に与える影響の程度に関わらず、体験を次の学びへと転換させることが出来るのは、他の保育者や保護者から理解と支援が得られた場合であった。誤解体験のアンケート記述(2015)では読み取れなかった転換の要因が語られていた。唯一、誤解体験がないと語っていた1名はフリー保育士の立場にあり、自分が誤解されたことに気づいていない可能性に触れつつも、保護者とのコミュニケーションにおいてズレが発生しないように注意を払っていることが語られていた。担任保育士と保護者のコミュニケーションを客観的に捉え、どちらに対しても補足や調整を行っており、保護者理解のための情報収集、担任保育士への支援などを行っていることが語られた。 ②2018年度末に誤解事例を用いた現職保育者を対象とした研修会を実施した。 保護者対応の経験が少ない経験年数3年以下の現職保育者を対象に研修会を行った。これまでに収集された誤解事例の背景と発生要因を推測するワークを行い、事例を多面的に捉える視点に気づくことがみられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
①研究代表者が2017年度より2年間の学内役職に付き多忙のため、研究計画の実施が困難であった。 ②現職保育者対象の研修会は複数回予定しており、複数園から参加する保育者の日程調整が大変困難であった。依頼と調整の時間が掛かり、1回目の実施が年度末にずれ込んだため、2019年度に実施する必要がある。 ③研修会の実施が遅れたため、その結果に基づく研修プログラムのWEBページ開設ができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
①現職保育者対象の研修会を経験年数に分けて実施するため、保育者の募集と実施時期の調整を行っていく。実施結果の分析を行い、研修プログラムとして整理していく。 ②WEBページ開設の準備を進め、具体的な研修プログラムのアップを上記の研修会実施後に順次行っていく。 ③保護者と保育者のコミュニケーション改善をめざすために誤解の事例集を作成する。すでに収集している事例の分類および解説を行っていく。
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Causes of Carryover |
現職保育者を対象とする研修会およびWEBページの開設等に使用予定だったが、実施ができなかったためである。
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Research Products
(3 results)