2016 Fiscal Year Research-status Report
乳幼児期における保育中の動きのおかしさの発達的変化と関連要因に関する縦断的研究
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26381113
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Research Institution | Kansai University of Social Welfare |
Principal Investigator |
廣 陽子 関西福祉大学, 発達教育学部, 准教授 (90614868)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大和 晴行 武庫川女子大学, 文学部, 講師 (70522382)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 乳幼児 / 動きのおかしさ / 手の巧緻性 / 姿勢 / 縦断的調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
この研究は、保育現場で実感されている動きのおかしさについて、なかでも手の巧緻性と姿勢について0歳~5歳の発達的変化を3年間の縦断的な質問紙調査及び実技調査によって動きのおかしさを感じる特長及び原因を明かにすることが目的である。手の不器用さを確認するために「手内操作スキル ①移動運動・②複雑回転・③転換」の実技調査、姿勢については立位を動画撮影している。それにかかわる質問紙調査として、遊びの頻度や養育態度等についてアンケートを行った。 手内操作スキルの実技の結果から、幼児の手の不器用さには、2歳以降、ものを操作する上で、拇指を使用していないなど、道具の操作時における拇指対向性に課題があることが考えられた。加えて、複雑回転スキルや転換の結果から、5歳ごろまで課題時に5指すべてを使用する姿が多く、橈側と尺側の機能分離が進んでいないことが影響の1つと推測された。また、遊び状況からの関連は、2~3歳ごろは構成遊びや様々な道具操作の経験が基本的な手指機能の向上に大切であると考えられる。今後は、3年間の縦断的な発達的な変化と遊びの頻度や養育態度等との関連について検討を行う。 姿勢においては、幼児の立位姿勢の分類をおこなった。結果、小児の不良姿勢の特徴は、顕著な腰椎の湾曲・頭部前方移動・肩甲骨の突出・平坦姿勢と先行研究と同様の傾向であった。また、学年・性別・身長との関連では、形態的な発育が立位姿勢の類型化の要因であることが示唆された。今後、幼児の姿勢の類型ごとの運動能力・運動習慣・生活状況との関連性についても検討を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
3年間の質問紙調査については入力・整理は終了しているが、実技調査の分析に時間を必要とし遅れている。現在、平成26年度の手内操作スキルと姿勢の実技分析は終了している。 平成27年度平成28年度の実技調査(手内操作スキル・姿勢)の分析は途中であり、早急に分析を終了させる。そして、今後は実技調査の分析と「遊び頻度」「養育態度」等との関連性の分析を随時行う。
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Strategy for Future Research Activity |
実技調査(手内操作スキル・姿勢)の分析についての時間短縮化を行い、質問紙調査との関連性について分析を行う。 実技調査の分析と質問紙調査(「遊び頻度」「養育態度」等)との関連性の分析を行い、学会発表や、論文作成をする。 これらの結果を、保護者向けのガイドブックにまとめ、協力園及び多くの幼稚園・保育所で活用していただけるように配付する。
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Causes of Carryover |
平成28年度は、調査最終年度として調査のための人件費・旅費は使用したものの、質問紙分析にとどまり、実技調査の分析が進んでいないために学会発表・論文投稿が予定通りできていない。また、実技調査の分析のための打ち合わせの費用(旅費)を使うことが少なかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度は、実技調査の分析・論文投稿費・そのための打ち合わせの旅費や経費、保護者啓発のためのガイドブックの作成を行うため、費用を使用することとなる。
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