2014 Fiscal Year Research-status Report
米国における大学と博物館の連携による学芸員養成教育プログラムの検証
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26381114
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Research Institution | Kyushu Women's Junior College |
Principal Investigator |
梶原 健二 九州女子短期大学, その他部局等, 講師 (90726481)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 学芸員養成 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、平成27年度に現地調査を行うアメリカンインディアン美術研究所(Institute of American Indian Arts:以下IAIA)について文献調査(先行研究レビュー)を行った。主に1970年代以降のアメリカ・マイノリティ(ネイティブインディアン)に対する芸術教育においてIAIAがどのような教育プログラムを展開してきたのか整理した。学会発表は本年度のアメリカ教育学会大会(於:武庫川女子大学)を予定している。 1970年代アメリカ合衆国は公民権運動によるマイノリティの文化意識回復運動が展開される時期である。このような状況の下、IAIA はアングロサクソン的な単一価値に基づく学校教育(「a mono-cultural anglo-oriented school system」)に疑問をなげかけ、ネイティブアメリカン特有の文化に寄り添った教育プログラムを展開する。そこで重要になったのは、学生の学習ニーズとIAIAエデュケーターの授業評価であった。 結語として明らかになったことは、教育プログラムついて重要となるのは、学生の生涯学習化に対応した学習システムであることに加え、とりわけエデュケーターの教育理念と目的(「philosophy, objectives」)を再確認させることであった。本成果は、わが国の学芸員養成教育に鑑みて、特に地方地域のニーズに密着した教育プログラム開発の参考になることが期待されよう。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成26年度は、現地調査を実現できず文献調査にとどまった。とはいえ、現地調査に向けて研究対象とするアメリカンインディアン美術研究所の歴史研究をさらに深化できた。平成27年度に予定する現地調査での目的意識が明らかになるとともに、さらなる具体的な調査スケジュールを遂行できると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、アメリカンインディアン美術研究所(以下、IAIA)の事例調査を行う。当該研究機関のクロフォード教授(Crawford, Jessie Ryker)へのインタビュー等を通して、IAIAのユニークな教育プログラムの特徴及び教育理念・方法について調査を行う。また、米国学生への聞き取り調査を行い、わが国の報告書調査(文部科学省『平成20年度大学における学芸員養成課程及び資格取得者の意識調査報告書』2009年)との比較研究を行う。 さらに最終年となる平成28年度は、米国の事例から得た知見を整理し、わが国の学芸員養成教育の課題に一つである、大学(養成機関)と博物館美術館の協働による学芸員養成カリキュラムのあり方を提案する。
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Causes of Carryover |
平成26年度は大学研究機関を異動することとなりました。米国への現地調査ならびに物品購入等の計画を平成27年度に繰り越すことをお願いいたします。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度は米国調査ならびにそれに伴う物品購入を行います。
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