2016 Fiscal Year Annual Research Report
The verification of museum professional training program based on collaboration between a university and its museum in the United States
Project/Area Number |
26381114
|
Research Institution | Fukuoka Women's Junior College |
Principal Investigator |
梶原 健二 福岡女子短期大学, その他部局等, 講師 (90726481)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 学芸員養成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、事例調査としてアメリカンインディアン美術大学(Institute of American Indian Arts)の実地調査を行った。第1回調査では、学芸員養成における博物館インターンシップの検証より、当該大学教育プログラムにおいては、展示に係る調査研究を役割とする文芸調査官(キュレーター)養成と社会教育活動を担う教育普及学芸員(エデュケーター)養成について、明確なカリキュラムやコース選定の区別は存在していないということが明らかになった。また、わが国の学芸員資格制度上に設置される博物館学のカリキュラム内容と類似している点もあったが、米国では博物館でのインターンシップやアウトリーチ活動を重視しており、学生が自発的に学芸員専門職への進路選択(キュレーター(研究者)なのかエデュケーター(教育重視)になるのか)を行うことが明らかになった。第2回調査では、学生の意識調査(15名)を行った。調査大学では、アメリカ先住民の人口減少による民族文化の衰退という課題をもち、そのような事由から「民族文化再生」という教育使命を公示している。意識調査から学生は、博物館機能の「収集・展示」および「教育活動」を重要視していることが明らかになった。また、アメリカ先住民文化と現代アメリカ文化との融合を意識した展示企画等への意識が高く、大学が掲げる教育使命が学生へ浸透している。しかしながら、大学教育者が養成課程において重視している「資金調達(ファンドレイジング)」や「博物館経営」については、それほどの効果をあげていないことが明らかになった。大学側は、アカデミック・ライティングの科目を配置し、公的資金申請といった資金調達講座を推進している。わが国の学芸員資格制度への示唆として、博物館運営に係る「博物館運営管理(museum administration)」についての対応が望まれることを指摘した。
|