2015 Fiscal Year Research-status Report
インドネシアにおけグローカル・コンピテンシー育成に関する研究
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26381132
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
中矢 礼美 広島大学, 国際センター, 准教授 (70335694)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | アイデンティティ / 地域カリキュラム |
Outline of Annual Research Achievements |
1.昨年度の調査に基づき、マルク州と東ジャワ州の世代別アイデンティティの様相について論文を学会にて発表した。またその発表を基に論文を執筆し、学術雑誌『アジア教育』(査読あり)に掲載された。本研究では、インドネシアにおける二つの地域(中心と周辺)において、中学生、大学生、保護者といった異なる世代のアイデンティティについて、ナショナルアイデンティティ、ローカルアイデンティティ、エスニックアイデンティティおよびグローバル化に対する意識・態度においてどのような違いが見られるのかを明らかにし、各世代が受けた教育との関連性を分析することができた。これは、インドネシアのグローバル化、ローカル化の現状把握のために、非常に重要な知見であるといえる。 2.インドネシアのカリキュラム変遷について、ナショナル化とローカル化の視点から分析を行い、その結果について、カリキュラム学会にて発表した。本研究の最も基盤となる国家教育のグローカル化志向の特徴の変遷を明らかにすることができた。 3.首都ジャカルタの地域科において、地域愛の醸成、市民として果たすべき役割、グローバル化との関係について学ぶ可能性があることを明らかにした。首都での教育におけるグローカル化を明らかにすることができた。その結果は、インドネシアのスマラン国立大学における国際学会において、ゲストスピーカーとしてCommunity based education to improve quality of life -case study of Muatan Lokal in Indonesia- を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ジャカルタ、西スマトラ州(パダンおよびムンタウェイ諸島シポラ島)、マルク州(アンボン)において、世代別アイデンティティと教育の関係についてのアンケート調査を行うことができた。その調査結果の半分程度を学会発表および論文投稿をすることができた。しかし、ジャカルタについては回答数が少なく、再度調査を実施する必要がある。また、アンケート入力および分析に時間が思った以上にかかっている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
ジャカルタでは再度調査を行う必要がある。中学校の生徒および保護者、大学生に対するアンケート調査は再度実施しなければならない。ただし、昨年度の調査において、カリキュラム変更によって地域科を実施する学校がほとんどない状況が明らかになった。再度確認を行い、地域科が実施されていない場合には、授業観察はあきらめ、アンケート調査のみの実施を行うこととする。
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Causes of Carryover |
3月にインドネシア・・西カリマンタン州にて調査を行った際、航空券の金額が思ったより格安で購入できたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次回のインドネシア調査の際の費用として使用する予定である。
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