2017 Fiscal Year Annual Research Report
Curriculum Development of Minority Culture in Southwest China: A Comparative Education Study
Project/Area Number |
26381137
|
Research Institution | Kanagawa University of Human Services |
Principal Investigator |
金 龍哲 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 教授 (20274029)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 少数民族教育 / 中国の西南地域 / 文化的多様性 / 文化伝承 / カリキュラム |
Outline of Annual Research Achievements |
中国西南における少数民族文化の教育課程化に関する研究の最終年度に当たり、以下の二つの調査を実施した。 1.学校における少数民族文化伝承の実践と少数民族の文化意識に関する調査(2017年8月17日―9月16日): 学校における民族文化伝承の実践に関する調査では、今まで取り上げなかった二つのタイプの学校を対象として実施した。一つは、「民族学校」と称し、事実、在学生がほとんど少数民族でありながら、実質的な民族文化に関する教育は皆無で、実質的には一般学校と全く同様の教育が営まれている学校であり、もう一つは貴州省のイ文双語学校のように、危機的状況にある民族言語の保護と少数民族自らの信仰体系を支える宗教的職能者の育成を目指して様々な教育活動を展開する新しいタイプの学校である。この二つのタイプの学校の存在は中国における少数民族教育の実態を的確に捉え、文化多様性の保全を目指した教育の在り方を考えるうえで貴重な視点を提供するものである。 2.新しい仮説設定の可能性を検証し、本研究を更に発展的に展開していくための補充調査(2018年3月23日―30日): この調査は上記のイ文双語学校の事例を踏まえて、四川省チャン族の宗教的職能者スピの現状、雲南省プミ族のハングイ文化学校の創設と挫折、プミ族二言語クラスを巡る動向等を中心内容として実施した。この補充調査を通して、本研究が更なる仮説を立て、次のステップを踏み出すために必要な貴重なデータが得られた。 なお、現地調査の結果については、報告者所属の比較教育学会、アジア教育学会、日本文化人類学会、中国四国教育学会、中日国際文化フォーラム等で口頭発表(計6件)と論文投稿(掲載論文2篇、内査読有論文1件)を行った。
|