2016 Fiscal Year Research-status Report
教授学習メディアとしての文字言語とノート使用における実証的比較文化的基礎研究
Project/Area Number |
26381138
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
添田 晴雄 大阪市立大学, 大学院文学研究科, 准教授 (30244627)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 久佳 大阪市立大学, 大学院文学研究科, 准教授 (00413287)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 話し合い活動 / 板書 / ノート / 音声言語 / 文字言語 / 書字随伴型学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
書字随伴型学習およびそれを支援する書字随伴型授業が日本の学習・教育文化の特徴であることを、定量的国際併置比較(日本、アメリカ、イタリア、スロベニアの数学の授業分析により日本の授業が書字随伴型の特徴をもつことを明らかにした)、歴史的文化的国際併置比較(江戸時代の日本は、文字を書くことが学習内容であり学習方法であったこと、西洋の中世から近代の授業では、音声中心型の授業がなされていたことを明らかにした)、関係比較の分析(石盤の日本への導入とその石盤が教育史的に果たした役割を分析し、書字随伴型学習の教育文化が保持されたことを明らかにした。また、「より深層にある学習・教育文化」の存在を仮定することにより、現代の教育改革においても書字随伴型学習文化の特徴を踏まえた工夫が必要であることを提案した)により、明らかにすることができた。 学級活動の話し合い活動には、「出し合う」「比べ合う」「まとめる」の3つの段階があるが、このうち、「比べ合う」の段階を理論的に研究した先行研究がほとんどなく、実践でも「出し合う」との差異がないものや、安易な多数決として「まとめる」の一部となっていることが判明した。「比べ合う」の理論的基盤として比較教育学の理論を援用すること、そして、それを踏まえて黒板やノートを使った文字を介した「比べ合う」活動の在り方を検討することの方向性が見えてきた。 また、国語などのアクティブ・ラーニングにおいても、ノートやワークシートを使うことにより、音声言語による話し合いの場合よりも、より深く学ぶことができる実践の方向性も見えてきた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究代表者が平成29年2月までに博士論文を提出しなければならない状況が発生し、平成28年度当初から研究業務をそれに集中したため。なお、平成28年度分の研究計画を平成29年度に延期する旨の補助事業期間延長承認を受けている。平成29年2月には、博士請求論文「文字言語・音声言語からみた学習・教育文化の比較研究」を大阪市立大学大学院文学研究科に提出した。
|
Strategy for Future Research Activity |
定量的国際併置比較、歴史的文化的国際併置比較、関係比較の分析により明らかになった、書字随伴型学習およびそれを支援する書字随伴型授業が日本の学習・教育文化の特徴であることを踏まえて、黒板やノートを使った文字を介した「比べ合う」活動の在り方や国語などのアクティブ・ラーニングにおけるノートやワークシートを使わせる実践について検討する。 また、アメリカの授業におけるノート活用の特色を分析し、比較考察を行う。
|
Causes of Carryover |
研究代表者が平成29年2月までに博士論文を提出しなければならない状況が発生し、平成28年度当初から研究業務をそれに集中したため。なお、平成28年度分の研究計画を平成29年度に延期する旨の補助事業期間延長承認を受けている。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度に執行予定のものを平成29年度に執行する。
|
Research Products
(4 results)