2018 Fiscal Year Annual Research Report
Sociological and Psychological Research on the Problems of Youths stay in Youth Support Activities
Project/Area Number |
26381140
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Research Institution | Sakushin Gakuin University |
Principal Investigator |
山尾 貴則 作新学院大学, 人間文化学部, 教授 (80343028)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 若者自立支援 / 承認 / 潜在能力アプローチ / ひきこもり / 引きこもり |
Outline of Annual Research Achievements |
1.若者自立支援活動の実施と若者が抱える困難に関する検討 若者(15-39才)の社会的自立を支援する活動として、「人と気軽に付き合うことができない」という困難を抱える若者たちが気軽に同年代の若者と出会い気軽にやり取りをできる居場所を運営して研究代表者自らもスタッフとして参加し、そこでの若者たちの様子を観察した。この活動を通して、若者たちに対しては就労に資するスキルを各種の訓練プログラムとして提供していくことが重要であると同時に、「同年代の若者、友達と一緒にいることを通して得られる安心感、自分自身への肯定的態度」もまた、社会的自立にとって大きな意味を持っていることが明らかになった。 2.若者自立支援活動における居場所活動を評価する視点の検討 上述したような支援活動は、就労に資する直接的なスキルを提供するようなものではないが故に、「どれだけの利用者が就労したか」という就労実績を唯一の評価基準とするような評価法では、その意味合いを捉えることが困難である。そのため、就労実績が芳しくない場合には、いわゆる選択と集中といった議論の中で「そんな居場所よりもPC講座を充実させるべき」のような判断がなされてしまう恐れがある。そこで、上述した居場所活動など「就労という最終結果を評価する視点からは評価不能であるが、最終結果を達成するには欠かせない活動」の効果を適切に評価しうる新たな視点を得るべく、A.センの「潜在能力アプローチ」を手がかりにして検討した。その結果、就労実績等の外挿的な評価軸で直接的に評価することが難しい支援活動については、支援を受けている個々の若者たちがこれまでどのような状況にあったか、社会的自立を果たすことができるとしたら何が「機能」(セン)として必要であったのかを支援の現場で丁寧に見ながら、それらの達成状況との関わりで当該支援活動を評価することができるのではないかと結論づけた。
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