2017 Fiscal Year Annual Research Report
Developing new education models to promote global human resources at Japanese schools abroad
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26381141
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Research Institution | Mejiro University |
Principal Investigator |
佐藤 郡衛 目白大学, 人間学部, 教授 (20205909)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | グローバル人材 / 海外子女教育 / 日本人学校 / 国際バカロレア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、日本人学校でどのようなグローバル人材が育成できるかをこれまでの実践報告の分析と調査等を通して明らかにした。その結果、第1に広い視野、論理的思考力、適応力、自己表現力などのグローバル型能力と英語力を兼ね備えた人材(香港日本人学校、シンガポール日本人学校等)、第2に日本語能力・外国語能力を持ち、二つの文化と社会を理解し二つの国の架け橋になる人材(台北日本人学校等)、第3に世界各国の日系人及び現地コミュニティにおけるリーダーとなるグローカルな人材(タイ日本人学校、アスンシオン日本人学校等)、そして第4に日本社会・文化、日本語を理解し、日本を支援する親日的な人材(西大和学園カリフォルニア校等)、の4タイプである。 第2の成果は、香港日本人学校の実践からグローバル人材育成のための実践モデルを提案したことである。香港日本人学校は、国際バカロレア(IB)に準拠した教育を軸に改革を進めており、その立ち上げと具体のプログラム開発の支援を行ってきた。特設の「グローバルクラス」を立ち上げ、理科と算数の英語「イマ―ジョン」教育、独自教科である「グローバル・スタディズ」といったプロジェクト学習を導入した。平成29年度については、「グローバル・スタディズ」の小学5年生用の単元の開発支援と「協働学習プロジェクト」のプログラム(「学校にいけない子どもたち」)の単元の開発支援を行った。 本研究を通して日本人学校の新たな教育モデルを構築するための課題が明らかになった。グローバルな社会では、多様性を認識し、差異を個性として尊重できるような人材が求められる。日本人学校では、グローバルな課題や現地の多様な課題を取り上げ、そうした課題の解決についての学習に取り組んでいくための実践やカリキュラム開発が不可欠である。その意味で、香港日本人学校の取り組みは今後の教育を進めていく上で参考になる。
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