2016 Fiscal Year Annual Research Report
A study on understanding early childhood current living conditions in a Children's Nursing Home and support network formation
Project/Area Number |
26381142
|
Research Institution | Urawa University |
Principal Investigator |
坪井 瞳 浦和大学, こども学部, 講師 (90438896)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
保坂 亨 千葉大学, 教育学部, 教授 (30173579)
村松 健司 首都大学東京, 学生サポートセンター, 教授 (00457813)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 児童養護施設 / 就学前教育 / 幼稚園 / 選抜 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、2015年度に実施した児童養護施設全国調査(質問紙)の分析と、10ヶ所の児童養護施設へのインタビュー調査を実施した。 そこでの主たる結果は以下の通りである。 1)児童養護施設4・5 歳児の就学前教育機関(保育所・幼稚園・認定こども園など)の利用率は 87.8%で、 全国平均の 97.6%に比べ、約 12 ポイントも低位にある。 2) 就学前教育施設の利用割合は、幼稚園への就園が 84.7%を占める。設置主体別では、私立幼稚園 52.7%、公立幼稚園 32.0%の割合で、私立幼稚園の利用が高位にある。 3) 就園をさせた施設は、就園先での幼児の成長に対して満足感が非常に高い。 4) しかし一方で、選抜時に入園を断られる「門前払い」、トラブルの際の「レッテル貼り」などの事例もあり、「児童養護施設の幼児」を理由とした就園にまつわる選抜や適応に関する問題が存在する。 5) 一般的に、幼稚園は保護者の就労を伴わない家庭が多く、保育時間の短さや園行事・役員業務への参加、送迎などの保護者の園参加が多く求められる。幼児のみならず、学齢児や他業務も同時にこなす施設職員にとってはそれらが負担となっており、就園そのものや園との関係性を保ち連携を図るには、施設職員の自助努力によって就園が成立していることが課題であることが明らかとなった。 なお、上記は施設側の認識のみから得られた知見であり、受け入れ側である就学前教育機関側の認識は未だ明らかとなっていない。今後の研究の発展として、「社会的養護を行う施設と就学前教育機関における相互の関係の様相」について明らかにする必要性から、施設と就学前教育機関との「選抜・適応・連携のプロセス」について引き続き調査を実施する予定である(これら課題は2017-2020年度に着手予定)。 本年度の成果は、学会誌への投稿・発表、一部書籍への掲載を行った。
|
Research Products
(5 results)