2015 Fiscal Year Research-status Report
大学におけるマネジメント概念・手法の受容に関する実証的研究
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26381154
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
浦田 広朗 名城大学, 大学・学校づくり研究科, 教授 (40201959)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 大学経営 / マネジメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、大学経営研究の一環として、組織マネジメントの概念・手法が我が国の大学にどの程度受容されているかを把握し、受容されている(あるいは、受容されていない)要因を実証的に明らかにしようとするものである。その際、マネジメント概念・手法の受容/非受容の要因を、各大学の特性や環境条件、あるいはマネジメント概念・手法自体に求め、定量的および定性的方法で分析することにより、マネジメント概念・手法は大学に適合的であるのか、適合的であるとすれば、どのように導入すればよいのか、適合的でないとすれば、従来の概念・手法を改善することによって導入可能なものとなるのか、あるいは全く新しいものを創出する必要があるのか、むしろ、従来型の大学運営が適しているのか、といった問題を検討することにしている。 このような目的の下、27年度は、26年度に収集し、データベースとして整備した自己点検・評価報告書テキストを分析し、大学におけるマネジメント概念・手法の受容の度合いを把握した。テキスト分析から把握できた結果が妥当であるか否かについては、学会出張等の機会を利用して、積極的に各大学の専門家による助言を得るようにした。また、大学マネジメント自体の理論的研究に加えて、大学マネジメントの環境の見通しを立てる研究も進め、その一部を論文「2030年までの大学教育需要」として取り纏め、後掲「研究発表」欄に示した紀要において発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
①順次公表されている自己点検・評価報告書の収集とテキスト分析可能な形での整備、②上記テキストデータの分析と専門家による検討、③大学マネジメントの環境の検討、という点は、ほぼ計画通り実施できた。しかし、大学ポートレート等を利用して別途構築している量的データとテキストデータとを結合して行う分析が十分に進んでいない。
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Strategy for Future Research Activity |
自己点検・評価報告書テキストデータと量的データを結合して行う分析を進め、各大学における組織マネジメントの受容度と特性・環境条件との関係を明らかにする。分析結果にもとづき、大学マネジメントの実務家および研究者の助言も得ながら、「マネジメント概念・手法は大学に適合的であるのか。適合的であるとすれば、どのように導入すればよいのか。適合的でないとすれば、従来の概念・手法を改善することによって導入可能なものとなるのか。あるいは全く新しいものを創出する必要があるのか。むしろ従来型の大学運営が適しているのか」という当初設定した問題を検討する。
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Causes of Carryover |
27年度に実施を計画していた作業のうち、謝金によって研究補助者に依頼する予定であった部分(大学ポートレートからのデータ収集や、紙媒体で収集したデータの電子化等)について、適切な補助者が得られなかったこともあって、研究代表者自身が行った。これにより謝金が不要となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究の遂行上、データ整備に関し、研究補助者に依頼する部分が発生するので、研究補助者の確保に努め、謝金として使用する計画である。
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