2016 Fiscal Year Annual Research Report
A Sutady on the Developmental Function through Traditional Practice in Our Childhood
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26381163
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Research Institution | Nippon Bunri University |
Principal Investigator |
山岸 治男 日本文理大学, 工学部, 教授 (40136768)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 地域生活慣行 / 集団参加促進機能 / 慣行の進行過程 / 役割期待 / 役割遂行 / 役割自覚 / 役割達成感・成就感 / 自律的社会参加 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、本研究最終年度に当たるので、少しでも今後の発展を可能にする意図を込めて取り組んだつもりである。過去2年間の成果については、「幼少年期の伝承民族における発達体験について」(日本文理大学紀要43-1掲載・論文)に集約した。なお、関連内容として「スクール・カウンセラーの有効活用と学校運営(日本文理大学紀要44-1掲載・研究ノート)を公表した。 前者は、地域の伝承民俗に幼少年期の子どもを集団参加させる緩やかな仕組みがあり、この仕組みを介して子どもが広義の社会化をたどることについて触れたものである。後者は、こうした仕組みに十分関与できなかった場合に発生すると思われる「不登校」などの引きこもりがちな生徒の集団参加を促すスクール・カウンセリング等と学校運営の在り方について、研究者自身のS・C経験も加味して探ったものである。 以上に立ち、最終28年度は教育学、社会学、社会福祉学などの各学会に参加して諸種の知見を得ながら、地域生活慣行が内包し、潜在的に保持してきたと思われる保育・教育機能の具体的仕組みについて探索・検討した。特に注意したのは、幼少年期における地域生活体験の進行過程における「身体的関与(神輿を担げば仲間の汗も受ける)」「社会的関与(一斉に発声し、集団に歩調を合わせる)」「感情の交換(共に喜び共に落胆する)」の視点である。地域生活慣行には、スポーツで言えば、役割遂行が比較的ゆっくり進行する「野球」型と、それが次々に展開する「ラグビー」型がある。どちらの場合も、競技終了まで「役から抜けられない」のが原則である。この「抜けられない」生活慣行体験の保育・教育上の意味について、「地域生活慣行の発達支援機能に関すr研究」(日本生活体験学習学会誌第16号・平成28年7月・論文)としてまとめたところである。
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