2014 Fiscal Year Research-status Report
カナダ先住民族の高等教育実践に関する研究―BC州の先住民族自治体の「民族大学」
Project/Area Number |
26381164
|
Research Institution | Kagoshima Immaculate Heart University |
Principal Investigator |
広瀬 健一郎 鹿児島純心女子大学, 国際人間学部, 准教授 (80352491)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 先住民教育 / 民族大学 / 先住民権 / 教育学 / カナダ地域研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
BC州政府高等教育省の先住民族高等教育政策の動向(とくに1996年~現在)、BC先住民族高等教育・成人学習協会(Indeginos Adult and Higher Learning Association)の民族大学支援の取組み、全国先住民族高等教育・成人学習協会(National Indeginous Adult and Higher Learning Association)のBC先住民族大学支援の動向、州立の民族大学であるニコラバレー工科大学の設立・運営について公文書、文献資料、新聞記事の調査・収集を行った。調査にあたっては、上記の諸機関の関係者を訪問し、インタビュー調査を行うとともに、資料の提供ないし閲覧の便宜を受けた。これらの調査を通じ、とりわけ以下の諸点について、研究の進展を見ることができた。 1)BC州政府高等教育省における調査によって、BC先住民族中等後教育・訓練パートナー政策作業部会全27回分の議事録(2010年7月30日―2012年11月22日)を収集できた。本作業部会は連邦、州両政府代表の他、BC先住民族成人学習・高等教育協会の代表、BC教員協会代表らで組織されていることから、現行の先住民族高等教育政策が、これら関係者の間で、いかなる協議を経て成立したのかを明らかにすることが可能となった。 2)BC先住民族成人学習・高等教育協会会長であるとともに、ニコラバレー工科大学副学長であるをつとめる同学副学長のBilly-Minnabarriet教授へのインタビュー調査からは、同協会とBC州政府との関係のあり様、BC州の先住民族居住地に設置されている「民族大学」に対する同学の具体的な支援の方法を知り得た。 3)BC全州の地方新聞に記載された先住民族高等教育関連記事から、いつ、どの大学で、どのような先住民族支援策が行われてきたのか、その概要を把握することができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
諸般の事情により、調査時期が年度末となったため、今年度は、資料を収集するに留まった。また資料調査の深まりという点においても、当初予定していた3週間の調査が2週間に縮小せざるをず、資料調査の深まりという点でも課題を残すものとなった。研究を推進する上で重要な文書や証言は得られたものの、具体的な分析はこれからであり、「やや遅れている」と判断せざるを得ない。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成26年度に収集した資料の分析に早急にとりかかり、分析結果の早期発表につとめる。また未実施に終わった一週間分の調査を早期に実施し、補充調査を行う。
|
Causes of Carryover |
当初3週間の調査を予定したいたところ、2週間しか調査期間を組むことができなかったことによる。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度の調査期間を3週間から4週間に延長する。
|