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2015 Fiscal Year Research-status Report

小学校におけるアート空間に関する研究―材料・場所・空間の問題を中心として―

Research Project

Project/Area Number 26381170
Research InstitutionHirosaki University

Principal Investigator

蝦名 敦子  弘前大学, 教育学部, 教授 (20302010)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywordsアート空間 / 造形遊び / 材料 / 場所 / 地域 / 小学校 / 空間把握
Outline of Annual Research Achievements

2年目の平成27年度は、これまで実践してきた図画工作の題材であるねぷた灯籠製作による作品を使用して、8月に展覧会「灯ろうで描く私たちの弘前」展を開催した。これまでの灯籠製作の集大成となる展示で、本研究テーマの「アート空間」をパブリックスペースの展示空間に置き換えて、弘前の地形に合わせてその町並みを灯籠絵で表現することを試みる。中央に弘前城天守の灯籠を置き、東西南北(四神)に灯籠絵に描かれた名所や建物などを配置する。題材が発展的に展開し、扇型の灯籠から6年生になるとさらに大型化し、複雑な弘前城天守をモチーフにする作品へと変わっていった。4年生で習得した技能が6年生になるとさらに充実した造形に結実し、これまでの児童の充実した学習の成果が実証された。この内容は、第54回大学美術教育学会横浜大会(横浜国立大学、2015.9)で口頭発表され、「芸術文化」第20号(東北芸術文化学会、2015.10)に掲載される。
また、上記の絵や立体、工作が組み合わさった題材とは別に、造形遊びの点からも本研究テーマに沿った考察を進めている。1年目の小学校中学年の実践から、2年目に入り、1年、3年、6年生を対象として、新たに考案した材料から造形遊びの授業実践を1クラスずつ行うことができた。材料が同じでも児童の成長過程に応じて、造形的空間の把握の仕方に顕著な違いが見られる。また材料と指導法の観点から振り返り考察したが、材料の限定の仕方によって児童の造形活動が方向づけられるとともに、場所-製作空間の影響が大きいことが確かめられる。第38回美術科教育学会大阪大会(大阪成蹊大学、2016.3)で口頭発表し、「弘前大学教育学部研究紀要クロスロード」第20号に掲載された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

造形遊びの実践については、新たに題材考案をし、小学校1年生、3年生、6年生に実践することができた。また同じ題材で大学生にも実践している。今後この内容は本研究テーマ考察のための資料となる予定である。また、ねぷた灯籠製作に関しては、これまでの成果である作品を使用して、展覧会開催へと発展した。独自に企画をし、新たなコンセプトを基にパブリックスペースを借りて展示をすることになり、そこでこれまでの題材が発展・展開したプロセスや子どもの製作の様子を映像にまとめ、公開した。

Strategy for Future Research Activity

高学年の造形遊びについては、昨年度1クラスのみの実践であったため、さらに新6年生を対象に授業実践をすることが必要である。その結果を踏まえてこれまでの内容を総合的に考察し、総括する。また「造形遊び」についても、昨年の展覧会開催が効果的であることがわかり、今年度も引き続き新たに展覧会開催を試みる。「みんなで造形遊び」と題して、造形遊びによるワークショップ型の展示を行う予定である。さらに灯籠製作に関しても、本テーマに照らしながら最終的な考察をすることになる。最後にこれまでの実践を通して、全体的に考察を進め、本研究テーマの総括をする予定である。

Causes of Carryover

研究に必要な授業実践がさらに必要で、最終年度に持ち越されたためと、今後さらに実践を行うことが予想され、これからも必要になる諸経費について全体的に配慮したため。特に昨年度実施した展覧会が効果的であったことから、最終年度も新たに展覧会を企画・開催することにした。そのための人件費や謝金、映像資料にまとめるための経費も必要になり、配慮した。

Expenditure Plan for Carryover Budget

授業実践のための資料収集、材料費、記録のために補助をしてもらう人件費などや、また引き続き最終年度も新たに展覧会を企画・開催するため、その準備費として、人件費や謝金、広告・印刷費、映像資料など作成のために費やされる。また最終的な成果を積極的に発表するための旅費、報告書を作成するための経費等にあてがわれる。

  • Research Products

    (6 results)

All 2016 2015

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Acknowledgement Compliant: 1 results) Presentation (4 results)

  • [Journal Article] 造形遊びの実践的考察―材料と指導法をめぐって―2016

    • Author(s)
      蝦名敦子、堤司、下山明子、小田桐光佑
    • Journal Title

      弘前大学教育学部研究紀要クロスロード

      Volume: 第20号 Pages: 29-38

  • [Journal Article] 東北の子どもの作品展示―「灯ろうで描く私たちの弘前」展―2015

    • Author(s)
      蝦名敦子
    • Journal Title

      芸術文化

      Volume: 第20号 Pages: 17-28

    • Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
  • [Presentation] 児童のアート空間把握―造形遊びの材料との関わりから―2016

    • Author(s)
      蝦名敦子
    • Organizer
      第38回美術科教育学会大阪大会
    • Place of Presentation
      大阪成蹊大学
    • Year and Date
      2016-03-19
  • [Presentation] 東北の子どもの作品展示―「灯ろうで描く私たちの弘前」展―2015

    • Author(s)
      蝦名敦子
    • Organizer
      東北芸術文化学会第68回研究例会
    • Place of Presentation
      宮城教育大学
    • Year and Date
      2015-10-04
  • [Presentation] ねぷた灯籠製作をめぐる子どもの表現と教材の展開2015

    • Author(s)
      蝦名敦子
    • Organizer
      第54回大学美術教育学会横浜大会
    • Place of Presentation
      横浜国立大学
    • Year and Date
      2015-09-20
  • [Presentation] ねぷた灯籠製作をめぐる子どもの表現と展開―製作・鑑賞・展示―2015

    • Author(s)
      蝦名敦子
    • Organizer
      第21回東北芸術文化学会大会
    • Place of Presentation
      仙台市情報・産業プラザ
    • Year and Date
      2015-07-04

URL: 

Published: 2017-01-06  

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