2014 Fiscal Year Research-status Report
英語ディスカッション力育成のための指導と評価改善の組織的試み
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26381175
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
齋藤 英敏 茨城大学, 教育学部, 准教授 (20318695)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ディスカッション / 評価 / 中学校 / 英語教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
1) 県内での13名の中学校教員・3名の指導主事他の計18名による評価作成委員会が作られ、5回に及ぶ検討を行い、最終的に三項目五段階の評価表が完成した。これを用いて別のデータを委員が再び評価を行い、ラッシュ分析では問題がないことが確認された。評価者トレーニング後、H26年度IEF(Interactive English Forum)県大会で使用し、二年生(通常枠)、三年生(通常枠)、B部門(帰国子女等枠)それぞれ分析を行った。評価者、項目ではモデル適合に問題はなかったが、項目に関しては、ラッシュ項目信頼性が低く、三項目が同じようにつけられていることがわかった。しかしB部門ではこのような問題がない。B部門のように個々の参加者のパフォーマンスに差が開く場合は三項目使用に意味があるようである。この点に関しては要検討である。今回の試行では内的構造妥当性の一部は支持される結果となった。 2) 外的構造妥当性(基準関連)の検討として、H26度は二年生の県大会参加者のうち有志26名がアルク社のスピーキングテストを受験した。このテストはモノローグ試験であり、「インタラクション」のタスクはない。しかし、スピーキングの評価であるので、IEF評価と中程度の相関が想定された。結果はr=.520 (p.<.00)であり、予想通り中程度の相関であった。つまり、外的構造妥当性の一部は支持された。 3) 評価者アンケート結果を旧評価を使用したH24年度(12名)と新評価のH26年度(11名)で比較を行った。旧版では8名(66%)が項目に関して明快でないと答え、7名(58%)がスケールに関しても不適切と答えた。新版では項目・スケールに関して問題があると感じたものはいなかった。また、H26年度評価者のうち旧版を使用したことのある8名全員が新版のほうが使用しやすいと答えている。このように帰結妥当性は一部支持された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書の初期の主要目的は次のとおりである。 1)中学部門での新IEF評価方法を作成し、妥当性を検討し公開する。 2)指導で利用できるような学習者用・指導者用評価方法を新IEF評価法をもとに作成し、公開しそれに基づいた中学校での授業実践を行い記録する。 1)に関しては予定していた入手データは内的妥当性関連の実際に新評価を使用した最初の評価データ、帰結的妥当性関連の評価者からの使用後アンケート(教師や生徒からは未入手)、外的構造妥当性関連の別テストデータが2年生のみから入手できたため順調に進んでいるといえる。 2)に関してはH26年度は学習者用は作成し公開することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
H27年度は授業内での実施の研究になるが、統制群の設定が難しく、統制群のない研究を現在検討している。また、参加者のうちボランティアで別の試験を受けてもらうことが予想以上に困難であったので、その方策を練りたい。
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Causes of Carryover |
試験の受験費用や旅費など、予定より安価であったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
参加者の受験費用などに充てる。
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