2015 Fiscal Year Research-status Report
英語ディスカッション力育成のための指導と評価改善の組織的試み
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26381175
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
齋藤 英敏 茨城大学, 教育学部, 准教授 (20318695)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ディスカッション / 評価 / 指導 / 中学校 / 英語教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)大規模な英語インタラクティブフォーラム(IEF)新評価の認知度や使用感などに関してのアンケート調査を全県の中学校教員に行った。結果は高い認知度や好意的意見でしめられていた。またいくつかの問題点もその結果から得ることができた。例えば、「量的」な面をルーブリックが強調しているように見える点、また方針としてコミュニケーションを評価するということ自体に疑問を感じる、などの点である。 2)新評価を使用して二年目のIEF県大会であり、特に問題は感じられなかった。今年度はB部門の参加者のうち11名がボランティアでスピーキング熟達度試験を受験した。この結果と新評価の相関は現在分析中である。 3)現職中学校教員で、授業でIEF活動をとりいれている三名に協力を依頼し(各一、二、三学年担当)、著者が計八回の観察、インタビューを行った。また、三名でのディスカッションを事前、事後で録音を行った。詳しい分析は現在行っているが、中間的考察として次のような点がインタビューおよび観察などから、伺えた。あ)ディスカッションの指導は長期的展望を持って行う必要がある。い)繰り返し、継続することで生徒は徐々にディスカッションに慣れていく。う)ディスカッション以外の様々な活動がディスカッションにつながっていくような授業デザインを意識的に行う。 4)現職教員を中心とした新評価改善委員会を設置し、アンケートでの指摘や委員の意見などからルーブリックの一部変更を行った。また評価トレーニングを各地区で開催するためにトレーナーの育成を行った。しかしながら、回数および準備が不足しており課題が残った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請の初期の主要目的は次のとおり。 1)中学部門での新IEF評価法を作成し、妥当性を検討し公開する。 2)指導で利用できるような学習者用・指導者用評価方法を新IEF評価法をもとに作成し、公開し、それに基づいた中学校での授業実践を行い記録する。
1)に関しては帰結的妥当性関連のアンケートを教師から入手している。外的構造妥当性関連の別テストデータをB部門の生徒から入手した。新年度は三年生から入手する予定。また内的妥当性関連の分析を現在進行中。 2)に関しては新評価を継続的に取り入れるような指導は難しく、広くディスカッション力育成の指導方法をいう観点から実践の記録を行うこととした。
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Strategy for Future Research Activity |
統制群のないケーススタディ型の研究に切り替える。また新評価の利用にとらわれず、教室での「良い」指導の方策を質的に探り、その結果を評価方法に反映できるようにボトムアップの方向を探る。
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Causes of Carryover |
コンピュータの注文でトラブルがあり実際の購入は年度を超えてしまったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
コンピュータは購入済み。本年度はデータ収集のため出張旅費、データの書き起こしなどの アルバイト料が多くなる予定である。
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