2014 Fiscal Year Research-status Report
大阪万博以降の美術ジャンル・主題をめぐる論点と図画工作・美術科教育内容への影響
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26381181
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
山田 一美 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (80210441)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 図画工作・美術科内容 / 美術ジャンル / 主題・題材 / 大阪万国博覧会 / 現代美術 / 現代アート / 前衛・抽象 / オブジェ |
Outline of Annual Research Achievements |
19・20世紀の美術動向は「イズム」を中心とする運動に支配される。ここには対立軸や主義主張、創造性が高く掲げられ、様々な芸術的実験を通して、領域・分野のジャンルと表現素材は拡張した。その結果、前衛派は「フォーヴィズム」「キュビズム」「シュルレアリスム」「抽象」「ポップ」「ミニマリズム」等、多様な主義・主張・方法を見出している。 平成26年度の研究計画では、次の4点の成果を得る予定であった。①1960年代までの「絵画」中心のジャンル・主題・題材。②大阪万博を頂点とする前衛・抽象美術の主義・主張、方法の特徴。③1950~1960年代の『美育文化』『教育美術』の雑誌分析をもとにした前衛・抽象美術の主題・題材・方法の影響の解明。④1960年代の教科性確立のための「デザイン」の主題・題材の分析。 そのため、次の関連展覧会・講演を中心に情報収集した。「ロイヤル・アカテゲミー展」では風景画ジャンル・風俗画の主題・様々なジャンルの芸術、作品の画題、道徳的・日常的・文学的主題、歴史画と動物画の主題・画題について。「ノルマンディー展」では風景画の始まりについて。「新印象派展」では象徴的な「第8回印象派展」(1886)について。「ウィレム・デ・クーニング展」では関連講演から抽象表現主義の主題について。「高松次郎ミステリーズ展」ではオブジェ・彫刻・絵画・ドローイングと世界的な評価について。「赤瀬川原平芸術原論展」では1960年代から現代までのネオダダ、ハイレッドセンター、反芸術論、「オブジェ」論について。「東京オリンピックと新幹線展」では大阪万博に先立つ芸術作品展示について取材調査をして知見を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
計画の③④について、研究進行の遅れから十分な成果整理に至っていない。 また、投稿論文の執筆状況が遅れているため。
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Strategy for Future Research Activity |
前述の計画の遅れにより、平成27年度には、③1950~1960年代の『美育文化』『教育美術』を分析し、前衛・抽象美術の主題・題材・方法の影響を明らかにする。④1960年代の教科性確立のための「デザイン」の主題・題材を、6月~8月の期間に集中的に分析・整理する。 また、当初計画の平成27年度は、①1970年代の「現代アート」に関するジャンル・主題の分析、②1970年代に衰退した「デザイン教育」の実像についての分析・評価、③1970年代の「造形遊び」に関する「総合性」と、内容としての「主題・題材」の動向把握であるが、これらについては雑誌分析を中心に推進する。 加えて、「大阪万博1970デザインプロジェクト展」(国立近代美術館)のデザインポリシーを調査するとともに、万博資料が残る「大阪府日本万国博覧会記念公園事務所」を取材調査する。この調査により、平成28年度計画の大阪万博を取り巻く前衛・抽象表現美術の影響、デザイン教育の登場と衰退について、前倒しにして成果を上げる予定である。
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Causes of Carryover |
平成26年度の美術科教育学会上越大会の実施時期が平成27年3月27日~29日であり、旅費52,080円は4月10日支払いとなったため。残りの次年度使用額、171,452円については、研究計画の遅れにより、学会誌等への掲載料・翻訳料・訪問調査費等が未使用であったことによる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は、より計画的に学会誌投稿・訪問調査を準備し、次年度使用額分を活用する。
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Research Products
(2 results)