2016 Fiscal Year Annual Research Report
Study of Development Materials and Teaching for Fostering Ability of Applying Mathematics in High School
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26381193
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
熊倉 啓之 静岡大学, 教育学部, 教授 (00377706)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
國宗 進 静岡大学, 教育学部, 名誉教授 (50214979) [Withdrawn]
松元 新一郎 静岡大学, 教育学部, 教授 (40447660)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 数学教育 / 数学的な活用力 / フィンランドの問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,フィンランドの数学教科書等の教材を詳細に分析して,それらの結果を踏まえて,活用力を育成する効果的な数学教材を開発して実践し,活用力育成に関わる指導の改善の提言を行うことである。 3年間の研究を通して,次の成果を得ることができた。 1 フィンランドの高等学校の数学教科書を翻訳・分析して,活用力育成に関わって,日本にはないような興味深い問題が多数あることを明らかにした。これらの興味深い問題は,日本語に翻訳したものをまとめ,成果物の1つとして冊子媒体を作成した。 2 1でまとめたフィンランドの問題を参考に,活用力育成をめざした教材を開発して,実践を通してその有効性を検証した。開発した教材は「くじの確率」「電話連絡網」「並列並びとフォーク並び」「預金の選択」「交通事故対策」「優勝決定方法の検討」等であり,これらについての実践と検証を行った。これらのうち,4つの実践について論文等にまとめて発表した。 3 2での実践を通した研究成果を踏まえて,活用力育成に関わる指導の改善の提言を行った。具体的には,本研究における「数学的な活用力」を「数学的に解決しようとする態度」「解決の方法を数学的に構想する力」「数学的に処理して結論を導く力」「振り返って発展させる態度」の4つの力・態度の総体として捉えた上で,6つの数学的活動「結論を予想する活動」「現実事象を数学化する活動」「必要な情報を選択する活動」「ICTを活用する活動」「結論を振り返る活動」「問題を発展させる活動」と,7つの教師の手立て「初めて出会うような問題場面の設定」「結論が予想しやすい問題の設定」「過不足のある情報の提示」「必要以上に解法を指定しない」「生徒自身が考える時間の確保」「コンピュータ等の道具の準備」「全体で議論・共有する時間の確保」「生徒自身による問題の設定」を提言し,論文にまとめて発表した。
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Research Products
(5 results)