2014 Fiscal Year Research-status Report
音楽的経験に関するPerformance Assessmentの開発
Project/Area Number |
26381196
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
根津 知佳子 三重大学, 教育学部, 教授 (40335112)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | Performance Assessment / 音楽的経験 / 情動調律 / 教員養成型PBL / 数学的パラダイム / 国際情報交換(米国) / 国際情報交換(ドイツ) |
Outline of Annual Research Achievements |
「音楽的経験」においては、実践者と対象者の各々の変容を評価することが求められる。これまでの研究では、各々の変容をミクロ的に分析する方法や、両者の創出した音楽的対話や関係性をマクロ的に分析する方法を検討してきた。本研究では、より多くの実践者が簡便に評価することのできる方法として、Performance Assessmentの開発を進めている。Performance Assessmentとは、「ある特定の文脈のもとで、さまざまな知識や技能などを用いながら行われる学習者自身の作品や実演を直接に評価する方法」である。今年度は、松下(2012)に依拠し、これまで開発した教員養成型PBL教育のコンテンツを改善し、「異文化理解に関する課題」を試行した。ルーブリックに「異文化知識・能力」等を加えることで、「音楽的経験」の評価の可視化が可能であることが示唆された。また、音楽科におけるPerformance Assessmentに関する内外の研究の動向をまとめ、音楽科における言説と他教科との相違をまとめた上で、児童や生徒を対象とした3種の課題を試行した。また、2事例のシナリオの作成・試行も行った。 「音楽的経験」に関しては、H.SmeijstersとD.Sternに依拠し、調律行動を重視する「数学的パラダイム」に関する理論研究を継続している。グループアンサンブル課題に関するルーブリックの作成により、調律行動のプロセスを照射することができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理論研究に関しては、専門的なスーパーバイズを受けている。また、Performance Assessmentのコンテンツ開発に関しては、音楽活動の対象者だけではなく、実践者に関する課題も開発することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
主として前言語的・非言語的な対話に焦点を当てていたが、研究を推進する上で、[音楽的経験]に関する対象者の「ナラティヴ」をどのように扱うかについて、新しい見解を得ることができたため、新たな課題とする予定である。
|
Research Products
(4 results)