2014 Fiscal Year Research-status Report
「総合的・領域横断的な芸術表現教育」の指導者養成に関する実証的研究
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26381200
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
初田 隆 兵庫教育大学, 学校教育研究科(研究院), 教授 (60273819)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 千代 兵庫教育大学, 学校教育研究科(研究院), 教授 (70252822)
井上 朋子 兵庫大学短期大学部, その他部局等, 講師 (40636594)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 総合芸術 / 教員研修 / 芸術教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では小学校において「総合的・領域横断的な芸術教育」の実践を行うことができる教員の育成を目指した「教員研修プログラム」の開発を行い、その成果を検証するものである。本年度は、これまで、行ってきた総合芸術表現に関する授業やワークショップの成果と課題を整理するとともに、全国都道府県で行われている教員研修の実態を調査し、プログラム開発の課題と視点を導出した。それらを踏まえ、総合芸術教育教員研修プログラムの内容構成や展開方法などを作成し、教員免許状更新講習において、部分的な試行実践を行った。結果、受講者の意識変化も見られ、総合的な芸術教育に関する研修の必要性を再認識するとともに、今後の実践に向けての展望を得ることができた。その成果については、美術科教育学会誌『美術教育学』第3号に発表した。 27年3月には、大学院生15名を対象に、3日間(90分を15回)の研修プログラムを試行的に実施した。「出会い」「感覚をひらく」「感覚横断的な表現」「音をつくる」「音楽と美術の統合的な表現」「言語・身体を介在させた表現」といった内容のワークを行い、最後にグループ毎に、総合芸術の教材開発と模擬授業を行った。プレテストとポストテストとして、「音を描く」及び「絵のイメージを演奏する」といった活動と、小学生対象の授業を行う場合の導入の働きかけを想定して記述するという課題を実施した。そして、「参加目的」「課題の達成度」「受講して学んだこと」「これまでの美術・音楽への好感度」「各ワークの印象」などの記述内容と、プレテスト・ポストテストの結果から、試行実践の分析・考察を行っているところである。平成27年度前半には、結果を学会論文としてまとめる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上にもあげたように、初年度の研究は、ほぼ予定通りに進んでいる。平成26年度前半は、これまでの実践(主に「総合芸術表現演習」の授業や教員対象のワークショップなど)における成果や課題の分析、先行研究や全国都道府県の教員研修の実態調査などから、総合的・領域横断的な芸術表現教育の課題や内容構成、展開方法などを導出することができた。その成果を学会論文にまとめ発表することができた。 平成26年度後半は、「総合芸術教育 教員研修プログラム」を作成し、年度末には、院生15名を対象に、試行実践を行い、データを収集することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度前半には、26年度末に行った試行実践の成果を論文にまとめるとともに、本学が実施している教員研修講座の一つとして「総合芸術 教員研修プログラム」を実施する。約20名の受講者を予定しており、5名程度は別途卒業生などから参加を募り、のちに授業実践のデータを得るための協力者になってもらう予定である。 平成27年度後半では、研修講座の受講生の中から10名程度の追加実験協力者を選び、勤務校での授業実践を行ってもらう。授業記録や児童の作品、児童へのアンケートなどから授業分析を行い、授業の効果や課題を明らかにするとともに受講生の授業実践力という側面からプログラム自体の有効性を検証する。成果については平成28年度にまとめる予定である。
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Causes of Carryover |
現地調査へと出向く予定を、インターネット、文献、アンケートなどによる間接的な調査へと切り替えたため、旅費の使用額が予定よりも少なく抑えられている。 27年度に行う教員研修に、人件費(謝礼)、物品費等が、当初の予定以上に必要になることが予測されたため、初年度は全般に使用額を抑えた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
主に教員研修プログラムの実施に際して、研修会で使用する物品、被験者の行う授業で使用する物品、データの処理に必要な研究補助への謝礼、被験者の勤務校へ出向くための旅費等の支出を予定している。
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Research Products
(1 results)