2015 Fiscal Year Research-status Report
数学教育学における協同的問題解決の学習に関する基礎的研究
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26381205
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
矢部 敏昭 鳥取大学, 地域学部, 教授 (50230298)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 学習過程 / 問題の構成 / 解決と結果の議論 / 評価の対象授業評価 / 数学的態度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的の一つである協同的問題解決の学習過程に関しては、「問題の構成」、「解決の見通しと遂行」、及び「結果と手続きの議論」の過程に焦点を当て、小学校と中学校の2校種によって実践を展開した。特に、発見を生む数学的活動の創出と、問題の構成と活用を生み出す算数的活動を考察の対象とした学術論文と、授業評価の対象を授業過程を対象とする学術論文の2本を提出した。 また、本年度は、全国の実践協力校29校において、協同的問題解決の授業を展開した。その内訳は、小学校24校と中学校5校である。1)学習者の学習意欲(内発的動機付け)が他者及び集団によってもたらされること。2)その内発的動機づけを支える知識が“学び合い”の過程で創出されること。3)学習の(仕方)の転移が期待されること。これらの教育的実践課題の解決に向けた試行を行ったものである。 さらに、授業評価の対象を学習の成果としての結果ではなく、学習者がいかに数理を発見し、探究し、深化・発展したかの過程への転換を志向したものである。言い換えれば、学習者が何を発見したかではなく、その何をどのように発見したかであり、発見の過程で何を考え、どのような試行をしたかであると言えるのである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理論的検討としては、学習過程の構築と授業評価の対象に関して学術論文としてまとめ上げられたこと、及び、算数・数学の学習に特有な数学的態度として10の態度を同定したことがあげられる。 実践的検討としては、全国の協力実践校の学習到達度が全国のトップレベルにあがったことや、授業そのものが学習者の能動性と主体性が全面に打ち出され、授業観察者の多くが学習者の実際の姿として観察可能であったことがあげられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方策の第一は、協同的問題解決の学習に関して更なる先行研究と文献資料により、「実践的検討→理論的検討」の一連のプロセスを繰り返し、実践可能な普遍妥当性を有する学習理論と指導方法の原理を追及することである。 第二は、授業評価の対象を成果から過程へ転換するとともに、「プロセス評価」としての実践的試行を繰り返し行い、一般化に向けた理論構築と実践的展開を行うものである。
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Causes of Carryover |
全国協力実践校との研修会、及び授業研究会において、授業映像記録用の機器や保存のためのハードディスク等が予定額より少なくて済んだこと。また、研究資料をまとめるための製本費や文献資料等が少額で済んだことが理由である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
翌年度においては、全米数学教育学会(サンフランシスコ)へ参加する旅費や、本研究の理論的検討に関して指導助言を得ることや研究資料の製本やまとめ費用として使用する予定である。
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