2015 Fiscal Year Research-status Report
地球観測技術を題材とする科学技術教育プログラムの構築と実践的研究
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26381213
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Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
伊藤 陽介 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (90249855)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 科学技術 / 地球観測技術 / 教育プログラム / 教育実践 |
Outline of Annual Research Achievements |
地球環境問題や大規模な自然災害などへの対処手段、持続可能型社会の実現のために、地球の状態をグローバルに把握できる地球観測技術の重要性は年々高まっている。本研究課題では、地球全体を科学的かつ技術的な目をもって探究できる人材の育成をねらいとする「地球観測技術を題材とする科学技術教育プログラム」を構築し、教育実践に基づいて評価することを目的とする。 平成27年度は、地球の表層や内部に起因する自然現象を情報技術によって捉える技術教育的な内容と、その結果を分析・考察する科学教育的な内容を連携する新しい教育プログラムならびに教材・教具に関する研究開発を行うために、以下の研究を実施した。 地球観測技術を題材とする科学教育と技術教育を連携する教育内容と方法に関する調査結果に基づき構築した「地球観測技術を題材とする科学技術教育プログラム」のうち、とくに,地球表層の自然現象を地球観測技術で捉える学習及び地球の内部に起因する自然現象を地球観測技術で捉える学習に関わる内容について中学校において教育実践した結果を「技術教育に関する学習過程」と「科学教育に関する学習過程」に関して学習者の情意・認知領域からの分析を行った。 さらに、地球の表層や内部に起因する自然現象を地球観測技術で捉えることのできる事例及び地球観測データなどの収集を進め教材化を行った。教育用地球観測データ処理ソフトウェア環境に、現在稼働中の人工衛星ALOS-2などに搭載されたSARによって取得されたデータを処理できるように機能追加するとともに、他の干渉SAR処理ソフトウェアとの処理結果を比較し、処理結果の妥当性を評価した。 また、電波計測実験を行い地球観測技術を体験的に学習に必要とされる教材として、受信用アンテナの設計・試作を行い、その特性を評価するとともに教材としての有用性を考察した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
地球観測技術を題材とする科学技術教育プログラムの実践結果の分析が順調に進むとともに、教育用地球観測データ処理ソフトウェア環境の機能改善が実施できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
「地球観測技術を題材とする科学技術教育プログラム」を実施する場合を想定し、指導者の支援や評価を含めた学習指導計画を完成させるとともに、これまで開発してきた教材・教具を評価・検証し、課題を明らかにする。とくに,地球表層の自然現象を地球観測技術で捉える学習及び地球の内部に起因する自然現象を地球観測技術で捉える学習に関わる内容で必要とされる教材については継続的に事例を収集するとともに、事例の前後で観測されたSARデータを入手する。 研究費は、本研究課題を遂行することで得られた成果を公表するために出席を予定している国内外学会への旅費や論文掲載費などに充てる。
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Causes of Carryover |
平成27年度の研究を予定通り実施した結果,わずかな残金が出たので,翌年度に有効活用することとしたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度において研究成果を公表するための旅費等の一部に充てる。
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Research Products
(9 results)