2014 Fiscal Year Research-status Report
感性の涵養とコミュニケーション能力育成のための実践的・国際的俳句指導の研究
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26381215
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
中西 淳 愛媛大学, 教育学部, 教授 (10263881)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ハイク / コミュニケーション / 国際交流 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、俳句が、世界の多くの地域で親しまれていることは広く知られているところである。近年では、ハイクに造詣の深いスウェーデンの詩人トーマス・トランストロンメル氏がノーベル文学賞を受賞し、それに対する関心は一段と高まっている。また、学校教育においても、それは世界の詩の一形態として紹介されている。このことから俳句は、我が国の学習者と海外の学習者とを結ぶ魅力的な教材となる可能性があることを示しているといえる。 このような問題意識のもとに、我が国と北米の俳句・ハイクによる交流を実りあるものとするための、教師を対象としたハイクワークショップをカナダにおいて実施し、その効果を分析した。その結果、ハイクワークショップの有用性が明らかになった。また、ハイクの体験で生じた疑問や問題を共有する場や、ハイクの教材価値を議論する場の保障をいかに行うかということが重要であることも明らかになった。さらに、俳句・ハイク、ハイクの授業を効果的に実践していくための具体的な示唆も得ることができた。その結果を、論文(「北米におけるハイクワークショップの有用性―国際交流を実りあるものとするために―」全国大学国語教育学会編『国語科教育』76集pp.55-62、2014年10月)としてまとめた。 これをふまえながら、我が国の児童とカナダの児童との俳句・ハイクによる交流のあり方を検討した。そして、俳句・ハイクの教材の可能性をさらに探っていくためには、句会を用いてその魅了を感じ取らせていくハイクプロジェクトが必要であることを確認した。さらに、その実施に向けて、カナダの小学校の意見を取り入れながら、具体的な授業案を構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、我が国の児童と他国と児童とのハイクによる国際交流の実現可能性を探ることを主な目的とした。その構想が具体化し、次年度の実施が可能となったから。
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Strategy for Future Research Activity |
我が国の児童と他国の児童とのハイクによる国際交流を実施し、ハイクの教材性の可能性をその分析を通して明らかにする。
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Causes of Carryover |
海外研究授業実践校との打ち合わせ等が、相手側の事情により、年度をまたぐことになった。したがって、本年度の予算の、物品費、旅費、謝金が次年度予算として必要となったから。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
物品費、旅費、謝金は、本年度の予定通り、海外研究授業実践校との打ち合わせ等により、使用する。
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Research Products
(3 results)