2015 Fiscal Year Research-status Report
感性の涵養とコミュニケーション能力育成のための実践的・国際的俳句指導の研究
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26381215
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
中西 淳 愛媛大学, 教育学部, 教授 (10263881)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 俳句 / 国際交流 / コミュニケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度の研究では、当初の研究計画に沿って、俳句による国際交流の授業(合同句会)を我が国の小学校とカナダの小学校で実施し、その指導法の有効性を検証した。 学習者同士の俳句による国際交流は十分に行われているとはいいがたい。その背景には、俳句の定義や翻訳の在り方、学校制度、教師の俳句観や俳句教育観等に関する問題が数多く存在するからである。それらの諸問題に留意しながら指導のあり方を模索した。 授業は、日本とカナダの双方で、創作の授業→鑑賞の授業→双方の読みの比較という三層で展開で行った。さらに、我が国の学習者の俳句とカナダのそれとを取り混ぜ、双方がそれを鑑賞する句会を催した。創作・鑑賞における具体的な指導の手立ては、それまでの研究成果を踏襲した。授業の分析を行った結果、俳句に関わる学びとともに、異文化理解の促進につながる学びも生じていること、学習者の俳句に対する興味・関心が高まっていること等が確認された。さらにその授業を観察した教師からは高い評価を得た。この研究成果の一部は、全国大学国語教育学会西東京大会において「俳句による国際交流の実践的研究」と題して、発表を行った。 さらに、その研究成果をもとに、学校教育における句会の教育的意義の再検討を行った。そして、海外に向けた情報発信として、ハイクノースアメリカの大会において、「The Significance of Kukai in Elementary School」と題し、英語で発表を行った
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画にしたがって、国内外の俳句教育に関する情報を整理しながら、俳句による国際交流の授業計画を立て、それを実施したから。その研究成果は、国内の全国大学国語教育学会、国外のハイクノースアメリカの大会にて発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究成果を踏まえながら、より洗練された、俳句による国際交流の展開の仕方を具体的に探ることが課題である。俳句教育研究にどどまらず、協働学習研究や文学教育研究にも目を向けて、それに関する情報収集につとめていきたい。
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Causes of Carryover |
国外における研究打ち合わせが、次年度に行われることになったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
国外における研究打ち合わせに使用する予定。
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Research Products
(3 results)