2014 Fiscal Year Research-status Report
ユニバーサルデザインの視点を取り入れた小学校家庭科授業の構想
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26381217
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
小島 郷子 高知大学, 教育研究部人文社会科学系, 教授 (20225428)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ユニバーサルデザイン / 小学校家庭科 / ICT活用 / 消費者教育 / 安心・安全 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、①家庭科授業のユニバーサルデザイン化の理論仮説を作成することを目標に、理論研究の実施と、②ユニバーサルデザインの視点を導入した授業デザインの中で、誰にでもわかる・できる授業のためにICTの効果的な活用事例の調査研究を実施した。 家庭科教育学におけるユニバーサルデザインに係る先行研究を蒐集しようとしたが、家庭科教育学においてはユニバーサルデザインの視点を導入した教育学的研究はほとんど見当たらなかった。特別支援教育や他教科におけるユニバーサルデザインの視点を導入した教育学的研究を参考に「家庭科授業におけるユニバーサルデザイン化」を検討するために、特別支援教育等における先行研究を蒐集した。また、家庭科授業のフィールドワークを実施した。小学校家庭科における消費生活領域の授業観察をとおして次年度実施予定の子ども・教員を対象とした質問紙調査の調査内容および調査項目を検討した。 授業におけるICTの効果的な活用については、教育におけるICT化の先進的取組を実施している韓国の小学校を訪問調査を行った。韓国はすべての学校の教室に電子黒板やプロジェクターを設置する学習環境の公的整備やデジタル教科書の開発など、教育の情報化を進めるための制度設計とその実現では最も進んでいる国と言える。小学校家庭科授業におけるICT活用状況を参観するとともに、授業担当者によるICT活用の意義や有効性、さらには課題についてヒアリングを実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初、平成26年度に計画した研究に取り組めている。 先行研究の蒐集については、家庭科教育にかかわった先行研究が見当たらないことから、家庭科教育以外の分野における先行研究の蒐集に取りかかったために若干予定よりは遅れているが、それ以外の計画は取り組めているので、おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、理論仮説の構築と子ども・教員・保護者を対象とした質問紙調査の実施および、家庭科実習室の実地調査が課題となっている。また、海外の学校で授業初等段階の授業にICTを積極的に活用し、その有効性が検証されている国の小学校授業の参観を計画している。
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Causes of Carryover |
当初平成26年度に、アメリカの大学及び関連機関調査を計画していたが、韓国の小学校授業調査を実施したために、旅費に差額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度は昨年度の差額分と合わせて、教育の情報化に積極的に取り組み、初等教育におけるICTを有効に活用し、その効果を検証している海外の小学校を訪問調査する計画である。
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