2014 Fiscal Year Research-status Report
インクルーシブ教育システム構築に向けた音楽科指導内容指標及び指導事例集の開発
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26381220
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
藤原 志帆 熊本大学, 教育学部, 准教授 (20381022)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福島 さやか 福岡女学院大学, 人間関係学部, 准教授 (40625901)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 音楽科 / 特別支援教育 / インクルーシブ教育 / 教育課程 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、特別支援学校(知的障害教育)と小中学校等の音楽科教育課程の関係性の分析および指導内容指標原案の作成を行った。 1.鑑賞指導 乳幼児期の音楽的発達に関する指標(「発達の4層からみた音楽療法の配慮点(宇佐川,2007)」、「子どもの音楽の発達に関わる評価に関するツール」の「チェックリスト(與座ら,2004)」)、就学前の保育や教育に関する指標(平成11年改訂版の「保育所保育指針」)、初等中等教育段階の教育に関する指標(現行の「小学校学習指導要領」、「中学校学習指導要領」、「高等学校学習指導要領」)における記述をもとに、特別支援学校(知的障害教育)音楽科の「鑑賞」および「身体表現」領域の指導内容(「知的障害特別支援学校における各教科の具体的な内容の例4.音楽(東京都教育庁指導部義務教育特別支援教育課)」)を分析した。 その結果、特別支援学校(知的障害教育)音楽科の鑑賞指導について、小学部では「身体表現」領域を中心とし、高等部にかけて徐々に「鑑賞」領域の比重を大きくしながら進められていく過程がみられることが明らかになった。これは、幼稚園・保育所等の「表現」に関連した総合的な活動の中で聴く力が育まれ、小学校「音楽科」において体を動かす活動を取り入れながら鑑賞の能力を育んでいく過程と符号した。また、特別支援学校(知的障害教育)中学部・高等部音楽科の指導内容には、中学校・高等学校音楽科の指導内容が含まれていることも明らかになり、無理のない範囲で生活年齢への対応に配慮した鑑賞指導が設定されていると考えられた。 2.器楽指導 「特別支援学校(知的障害教育)と小中学校等の音楽科教育課程の関係性―特別支援学校(知的障害教育)音楽科器楽領域における指導内容の分析をとおして-」(藤原・福島,2014)の分析結果を参考にして、特別支援学校教員と意見交換を行いながら、指導内容指標の原案を作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
指導内容指標の作成については当初の計画以上に進んでいるが、交流及び共同学習の実態と課題の把握について調査が進んでいない。
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Strategy for Future Research Activity |
指導内容指標の実践的検討については、研究協力校園の指導計画作成状況に合わせて依頼を進める。交流及び共同学習の調査については、先進事例の情報収集に努める。
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Causes of Carryover |
交流及び共同学習の実態調査や教育課程分析結果の学会発表が当初の計画通り進まなかったため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に、交流及び共同学習の実態調査と教育課程分析結果の学会発表を進め、当該助成金を使用する予定である。
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