2014 Fiscal Year Research-status Report
教師の専門性を開発する家庭科シティズンシップ教育の実践枠組み
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26381249
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
望月 一枝 日本女子大学, 家政学部, 研究員 (60431615)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 家庭科の歴史 / 公共空間 / シティズンシップ / 教師の専門性 / 家族 |
Outline of Annual Research Achievements |
1970年代まで、日本の教師の教育水準は世界一高かったが、80年代に入って高度化と専門職化において世界に遅れをとっていることが危惧される(佐藤、2015)。本研究では、家庭科シティズンシップ教育の実践枠組みを明らかにすることにより、教師の専門性を開発し、21世紀の家庭科教師教育への示唆を得たいと考えた。 戦後から今日まで、家庭科は学習目的、学習内容、学習者が大きく変容した教科である。 そこで、本年度は、理論的基礎を得るために、家庭科研究を歴史的に概観した。成果として、日本教育方法学会の40周年記念ハンドブックに家庭科の授業研究の変容を執筆した。また、戦後家庭科に貢献した氏家寿子の論を家庭科カリキュラム・イノベーションとして検討した。また、大学家庭科研究会40周年記念誌に「家庭科で育まれるシティズンシップ」を発表(刊行予定)である。 他方、授業実践とその方法の提案として、東日本大震災の被災者からの聞き取りから家庭科の授業と課題と方法を考える著書を刊行した。 これらの研究から明らかになったことは、つぎの3点である。第一に、家庭と地域を創造する家庭科の目的を達成するためには、高度で質の高い教師の専門性開発が不可欠である。家庭科教師は、学校の他教科の教師と連携し教室に公共空間を作る方法を身につけたい。第二は、家庭科の家族と家庭の意義を子どもたちにどのように気づかせるかである。そのためには、教師自身が家族や家庭の意義とシティズンシップをつなげて理解することが求められる。第三に家庭科教師は、地域や海外の社会関係資本や資料を授業デザインに組み込むことが求められる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
家庭科の歴史に関する著書、家庭科の現代的課題と授業に関する著書が刊行できたから。
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Strategy for Future Research Activity |
教師の専門性の開発と家庭科シティズンシップ教育の実践枠組みの関係を実証的に明らかにしたい。そのために授業実践分析と教師の変容を調査する。
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Causes of Carryover |
次年度、実践分析と家庭科教師の専門性開発の関係を分析するためにテープ起こし、 および国内・海外調査が必要なため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
教師の専門性に関する海外調査(イギリス、オーストラリアを予定) テープ起こしに謝金が必要なため
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Research Products
(8 results)