2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a Moral Education Method Introducing Moral Affordance
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26381250
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
吉田 誠 山形大学, 地域教育文化学部, 教授 (60449957)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 道徳授業の類型化 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度までにモラル・アフォーダンス獲得の道徳授業の実践とその理論研究から派生的に生まれた当事者研究的道徳授業の実践へと展開する中で、理想主義と現実主義および行為主義と人格主義の二軸平面に8つの道徳授業方法を類型化して位置づける方法を開発した。 この方法は発問分析にも応用できることから、最終年度は理想主義と現実主義および行為主義と人格主義の二軸平面上での発問分析に基づく授業改善に取り組むとともに、一つの教材についてモラル・アフォーダンス獲得の道徳授業を含めて複数の授業方法の観点から教材分析と指導案作りを行うことで、それぞれの授業方法のメリット・デメリットとその改善方法についての検討を行った。以上の研究成果については、研究協力者等の現職教員との共著の形で教員を目指す大学生や若手教員を対象とする道徳科の授業づくりのためのテキスト『道徳科 初めての授業づくり-ねらいの8類型による分析と探究-』としてとりまとめた。本書は大学教育出版より平成30年4月30日に刊行予定である。 以上の研究により、従来の心情把握型授業によって一つひとつの行為について他人事の正解探しや間違い直しにとらわれる「道徳的生活の微分化」の状態に陥り、教師も子どもたちも生活全体を通した道徳性の成長を見落とすことになりかねないという道徳授業に多く見られる課題を克服するための方途はモラル・アフォーダンス獲得の道徳授業を含めて複数あること、そして、心情把握型授業についても目的や状況によっては効果的な場合もあることを明らかにすることができた。
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