2014 Fiscal Year Research-status Report
教員養成におけるジェネリック・スキル育成に関する検討
Project/Area Number |
26381254
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
高橋 浩之 千葉大学, 教育学部, 教授 (20197172)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 教員養成 / ジェネリック・スキル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,認知的スキル研究などにおける研究成果を基盤とした上で,教師に求められるジェネリック・スキルを明らかにすることを目的としている。そして,その結果をもとに,教員養成において,それらを育成する教育方法,カリキュラム等を開発することを目指している。 研究初年度である平成26年度には,ジェネリック・スキル及び教師力に関する文献調査,ジェネリック・スキル及び教師における人間力に関する実地調査などを行った。そして,それらの結果を踏まえ,教員に必要なジェネリック・スキルの枠組みを設定し,予備調査を実施する段階にまで到達した。 予備調査は,卒業直前の教員養成学部学生80名に対して行われ,以下の結果が得られた。 教員採用試験の受験は,ほぼ「教員志望の度合い」(「教員になりたいという気持ちは強い」に「当てはまる」から「当てはまらない」の4段階回答)で説明される。「教員志望の度合い」は,ほぼ「教員適性感」(「教員に向いていると思う」に4段階回答)で説明される。「教員適性感」は,「社会的スキル」と「一般性自己効力感」により説明される。また,教員採用試験の結果に関しては,一次試験の結果(「合格」「不合格」)を説明する変数はなく,二次試験の結果(「合格」「不合格」)を説明する変数に関しては,「教員志望の度合い」のみであった。ただし「不受験」「一次不合格」「二次不合格」「合格」のグループ分けに関して分析を行うと自己管理スキルが説明力を持った。 以上のように,予備調査を実施したことにより本調査に向けての調査実施上の有益な情報が得られたのみならず,教員養成におけるジェネリック・スキルの有効性が示唆されるという結果が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度に予定していた,ジェネリック・スキル及び教師力に関する文献調査,ジェネリック・スキル及び教師における人間力に関する実地調査などを概ね順調に行い,それらを踏まえて,教員に必要なジェネリック・スキルの枠組みを確定し,予備調査を実施できたから。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度に行ったジェネリック・スキル及び教師力に関する文献調査及び実地調査の結果を踏まえ,調査しきれなかった部分に関して補充調査を行う。また,調査対象を海外へと拡大し,海外における取り組みを調査する。さらに,予備調査の結果を踏まえ,教員に必要なジェネリック・スキル尺度の項目,測定方法を設定し,教師を目指す学生とベテラン教師,教員採用試験に合格した学生と不合格だった学生の比較を行う。
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