2016 Fiscal Year Research-status Report
風土知に基づく持続発展教育カリキュラムの構成原理とパフォーマンス評価の研究
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26381264
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
岸本 実 滋賀大学, 教育学部, 教授 (80249705)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 持続発展教育 / 環境教育 / 台湾 |
Outline of Annual Research Achievements |
台湾の緑色学校及び環境教育人員認証制度について主に研究した。 台湾の緑色学校は、2000年から開始されたプログラムで、その目的は、各学校において、環境政策、学校キャンパスの整備、教材計画、学校生活という4つの局面で環境教育を推進していくことである。特に、「緑色学校ネット仲間計画」として、ウェブ上で活動を報告し,グリーンリーフを獲得していくシステムについて検討した。登録された実践報告は、2000年の38件から、2014年の13249件へと急激に増加していた。特に、2010年制定の環境教育法の効果が大きかった。また、実践報告の評価に関しては、環境教育の方法だけでなくその内容に関する評価が重視されている点で評価できるものであった。 今後の課題として、小学校、中学校、高校における同じテーマでの実践において、学習者の知識や思考力・判断力・表現力がどのように発達した姿が見られるか。その姿に基づいて環境教育のパフォーマンス評価のための長期的なルーブリックを開発していくことである。 環境教育人員認証は環境教育法によって進められた制度である。環境教育人員には、環境教育を企画、押し広めるなどの行政に従事する環境教育行政人員と、環境について説明し、実践する教学事項に従事する環境教育教学人員であるである。特に、後者について、環境教育を推進する教師の育成にどのように寄与しているかを検討した。その資格認証のプロセスにおいて、環境及び環境教育についての深い理解が重要視されている点で評価できるものであった。 実際に環境教育を学校現場で推進している教職員と、制度上資格を持つ教職員の配置が義務付けられているため資格を取得しているだけの教職員が、実際には存在した。実際に環境教育を推進する教師へのインタビューや授業観察を行ったが、次の課題としてその教師との共同研究に取り組みたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
台湾の環境教育について、環境教育法、教育部、台北市教育部、小学校、中学校、高校の現地調査など順調に進行した。また、「緑色学校ネット仲間計画」のウェブにおいて登録された多数の実践報告の分析により、小中高の長期的なルーブリックの開発の可能性が見えてきた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで、滋賀県の実践研究、台湾の調査研究を主に行ってきた。今後は、滋賀県だけでなく台湾においても実践的な研究を発展させていく。また、海外の現地調査に関しては、台湾を中心として取り組んできたが、オーストラリアなど他の地域の環境教育および持続発展教育についても調査し、位置付けていく。
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Causes of Carryover |
海外調査において調査対象の学校の年度のずれや、カリキュラムにおける適切な単元の指導時期を考えて、2016年度の年度末よりも2017年度前半に実施した方が研究成果を得やすいと考えたため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2017年度の前半の調査に使用する。
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Research Products
(2 results)