2014 Fiscal Year Research-status Report
自律学習者を育てる「個別化学習」の環境構想と実践~グリーンヒルズ小中学校の事例~
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26381281
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Research Institution | Morioka College |
Principal Investigator |
市川 洋子 盛岡大学, 文学部, 准教授 (40593588)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伏木 久始 信州大学, 教育学部, 教授 (00362088)
馬上 美知 川村学園女子大学, 教育学部, 准教授 (60364478)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | PBL / 基礎学習 / 教師のアセスメント / 学習履歴図 / アドバイザー養成 |
Outline of Annual Research Achievements |
①PBL(Project-Based Learning)と基礎学習の両者を連携させ、自律学習者に必要な資質能力の育成するカリキュラム開発を行うために、研究対象校(グリーンヒルズ小中学校)の教員研修を通して、以下のことについて検討を行った。1)自律学習者に必要な資質・能力を抽出・分類整理し、ルーブリックを作成。2)基礎学習とPBLを併用したカリキュラム構造について検討を行った。3)児童生徒自ら個別学習計画を立てられるように、また、基礎学習とプロジェクトを通して学んだことがどのようにつながっているのかを明確にできるよう、学習指導要領に示されている目標(小中9年間分)を整理した。4)一人一人の児童生徒がどのような学習ニーズをもっているかを明らかにする手がかりとして、児童生徒の学習の振り返りが重要となってくる。そこで、児童生徒が、PBLを通して何をどのように学んでいるかを知り、より深い学びにつなげていくために、「学習履歴図」の導入を検討した。 ②単なる活動で終始せず、児童生徒がプロジェクトを通して深く学んでいくためには、アドバイザーとしての教師の役割が重要となる。そこで、研究対象校の教員に、NPO法人日本PBL研究所(理事長/上杉賢士グリーンヒルズ小中学校校長)主催の「PBLアドバイザー養成講座」に参加してもらい、PBLにおけるアドバイザーとしての力量形成を図った。 ③自治活動や対話を重視した環境が、児童生徒同士や児童生徒・教師間の関係性にどのような影響をもたらすか、参与観察を実施。 ④個別化学習を進めるための学習環境整備を実施。 ⑤10月にアメリカの学校を訪問し、PBLの実践状況を見て回った。PBLを実践している小学校において、本質的な問い(essential qeustion)と必要のあること(needs to know)を設定していることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
理論上は、PBLと基礎学習の二者択一ではなく、両者を有機的に融合させることで、より能動的・主体的な学習が促進されるだろうということが理解されても、実際にプログラムとして具現化させることは難しい。なぜなら、個々の児童生徒の理解度や進捗状況によって基礎学習の達成度が異なり、加えて、児童生徒の興味関心にもとづいて行われるプロジェクトのテーマやそこでの学びも一人一人異なるからである。そこで、教員研修やアドバイザー養成講座を実施し、時間をかけて、一人一人の児童生徒の学びをアセスメントする教師のスキル向上を図ってきた。そのために、PBLと基礎学習を有機的に融合させたカリキュラム開発までには至っていない。 また、児童生徒の個別のニーズを拾い上げて指導に生かしていくためには、児童生徒が作成する日々の学習記録や振り返りが重要な手がかりとなる。そこで、「学習履歴図」の導入を検討し、試行を重ねてきた。ようやく、学習履歴図作成と教師の見取りがうまく機能し始めたところである。 個別化学習の有効性を明らかにするために、Hope Survey(日本版)を実施する予定でいたが、まだカリキュラム運営が順調と言えず、今年度の実施を見合わせた。 以上の理由から、本年度の実施は少し遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の目的、概要、PBLと基礎学習を有機的に融合させたカリキュラムの基礎理論、PBLにおけるアドバイザーの役割等について、研究対象校の教員との共通理解を図り、カリキュラム開発における基盤を確立することができた。今後は、児童生徒の個別のニーズに応じた個別化学習プログラムの実践を蓄積することができる見込みである。 自治活動や対話を重視した環境が、児童生徒同士や児童生徒・教師間の関係性にどのような影響をもたらすか、関与観察を継続していく。 前年度作成した自律学習者に必要な資質・能力のルーブリックを見直し、改善を行う。さらに、児童生徒が行う学習計画と振り返りと、ルーブリックをもとにした学習履歴図の作成を定着化させていく。 前年度の実施を見送ったHope Surveyを実施する。
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Causes of Carryover |
研究対象校のカリキュラム開発に関わる実験器具購入費決定に時間がかかり、調整時間がなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究対象校のカリキュラム開発に関わる実験器具購入に使用する。なお、今後は早めに報告してもらうようにする。
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