2015 Fiscal Year Research-status Report
「伝統と文化」教育に関する教師教育カリキュラムの開発
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26381291
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
中村 哲 関西学院大学, 教育学部, 教授 (40091813)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 伝統文化教育 / 教師教育 / カリキュラム / 授業実践 / データベース / 日本文化 / グローバル化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、現代社会における教育の課題と今後の教育改革の展望を視野に「伝統と文化」教育に関する指導能力形成を図る教師教育カリキュラムの開発にある。この期間においては、昨年度の研究を推進しながら、教師教育関連リソース収集と実態調査及び研究理論解明を行うことが研究実施計画になっている。 この研究実施計画を踏まえて、次のように研究を推進した。教師教育関連リソース収集と実態調査としては、小中学校を対象とした研究と国内外の大学等を対象とした研究を推進した。前者の研究としては、東広島市と秋田県由利本荘市における教育委員会とモデル小中学校を訪問し、授業実践の見学と共にカリキュラムと授業実践のリソースを収集した。また、由利本荘市では和文化教育学会に参加し、シンポジウム等の研究交流を実施した。後者の研究としては、国内では早稲田大学、兵庫教育大学、アメリカ・カナダ大学連合日本研究センターを訪問し、日本文化に関するカリキュラムと授業についての文献調査とインタビュー調査を実施した。国外では、米国におけるスタンフォード大学、コロンビア大学、インディアナ大学、南メソジスト大学の日本語・日本文化に関する学部及び学科を訪問し、各大学のシラバスの文献調査と担当教員へのインタビュー調査を実施した。これらの調査においてスタンフォード大学におけるPICE(Stanford Program on. International and Cross-Cultural. Education)とコロンビア大学におけるAsia for Educators の研究内容が本研究との関連を有する。その意味では、日本の伝統文化に関する教師教育カリキュラムの研究理論を解明する上で意義ある取組である。 本年度では日本文化に関するカリキュラムと授業の開発研究素材を見出したが、これらを踏まえて理論研究の推進が次年度の課題になる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度の研究計画では、教師教育としてのカリキュラム構成に関する理論研究が求められるが、現時点では提示されていないのである。これまでに収集してきたシラバス等の資料分析を通して検討する必要がある。また、「伝統と文化」に関するデータベースの事例入力が遅れ気味である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度の研究においては、これまでの教師教育リソース収集と実態調査を踏まえながら「伝統と文化」の指導力形成の理念とカリキュラム構成の理論仮説を解明する必要がある。さらに、カリキュラム構成を具体化するための授業の開発と活用が求められる。その際には研究協力者として日本の伝統文化に関する内容と方法の専門的協力も必要になる。
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Causes of Carryover |
「伝統と文化(和文化)教育実践WEBデータベース」への入力データ数が予想より少なかったことにより、人件費・謝金の未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
「伝統と文化(和文化)教育実践WEBデータベース」のデータの整理と入力を推進する。
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Research Products
(5 results)