2015 Fiscal Year Research-status Report
日本の伝統と文化の教育充実を図る和文化融合型舞踊教育モデル開発-伝統舞踊とダンス
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26381292
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Research Institution | Kobe Shinwa Women's University |
Principal Investigator |
畑野 裕子 神戸親和女子大学, 発達教育学部, 教授 (80167585)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 日本の伝統・文化 / 伝統舞踊 / ダンス |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、2年目として、次のような研究を実施した。まず、初年度収集した資料等をもとに、その後に発表された新たな資料(「日本の伝統と文化に関する教育」、「伝統舞踊」、「現代のダンス」と、それらの教材に関する研究について、国内・国外における文献、研究論文、学会等における研究発表資料等)をさらに追加収集した。 2008年の学習指導要領の改訂において、ダンスは中学校で男女必修となり、ますます重要な学習指導内容となっている。身体表現活動は、校種により領域名称が異なり、小学校では表現運動、中学校・高等学校・大学ではダンスと称されている。しかし本報では、それらを包括して舞踊(ダンス)として述べる。 本年度は、舞踊教育モデルを検討する際に必要な表現の授業や学習活動を取り上げた。特に中学校ダンスの必修に繋がる、小学校において、「表現運動・表現」指導が困難な要因としてあげられる児童の「恥ずかしさ」に注目し、その軽減を目的とした事例の分析を試みた。具体的には、小学校5・6年生を対象とし,「恥ずかしさ」を軽減する授業案を作成し,授業前・後の質問紙調査(「恥ずかしさ得点」)について検討した。その結果,両学年ともに,導入から設定した「恥ずかしさ」を軽減する授業案(①イメージ課題と②運動課題等を学習内容とした学習指導過程)が,条件の限界はあるものの,「恥かしさ」を軽減することに寄与したと思われる。 また、特別活動として実施されている舞踊に関わる活動として、運動会のダンスがあげられ、それに着目して事例的に取り上げた。実践に関わった小学校教師へのインタビューの結果、表現を中心とした実践がある一方、(表現と称して)振付けられた新体操やマスゲーム、よさこいソーラン等がみられることを報告した。 以上のように、本年度は、舞踊教育に関する実践事例資料を中心に検討を加えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2年次として、当初予定していた資料(「日本の伝統と文化に関する教育」、「伝統舞踊」、「現代のダンス」とその教育に関する実践事例など)に関して、収集することができ、交付申請書に記載した研究目的をおおむね達成している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の今後の推進については、現段階では、研究計画変更の予定はなく、おおむね交付申請書に記載した研究計画通りに進行する予定である。
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Causes of Carryover |
研究費の執行に関しては、当初の計画から若干の変更が生じている。具体的には、平成26年度に実施した研究結果について国際学会での発表を予定し、発表可能との審査結果が通知されたが、直前に体調不良で学会発表を取り下げたたため、一部予算が次年度に繰り越し、27年度にも繰り越すこととなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
前項の繰越分については、次年度に、海外の学会で発表予定であり、そこに充当する計画である。それ以外の、次年度の研究費の使用計画に関しては、おおむね当初の研究計画通りである。
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