2014 Fiscal Year Research-status Report
保健室において子供の抱える問題を構造的に可視化する子供理解支援システムの開発
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26381298
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Research Institution | Minatogawa College |
Principal Investigator |
岡田 雅樹 湊川短期大学, その他部局等, 教授 (80369800)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横島 三和子 湊川短期大学, その他部局等, 准教授 (20584717)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 子供の問題構造可視化 |
Outline of Annual Research Achievements |
子供の問題を構造的に可視化するために、まずは子供の問題・背景について整理し、理解するための枠組みを構築しなければならない。そのため、子供の居場所として「教室」「保健室」「家庭」の3つの場を定め、この場における子供の活動状況と問題発生の有り様を、養護教諭・学校保健分野の学術論文、あるいは、養護教諭養成のためのテキスト群から抜き出し、それらをスモールステップに分解してそれぞれの場面を構成する要素を洗い出すことで、XMLデータベース化するための基礎データを完成させた。これは、子供の居場所における人とモノと情報の意味と関連について明確にする作業でもある。 この各情報のリレーション作成のために、一つの情報につき複数のタグづけを行うことで、多数の視点で問題を串刺しすることを可能にした。その上で、実際の保健室来室理由との関連のリンク作成のために分類・類型化の作業を行ったものである。次に、次年度からの実践準備として、子供理解のための問題構造可視化システムの設計を行った。これは、前述の子供の活動・問題についてのデータベースを元に子供理解プロセス支援のための教育的機能として「a.記録、b.意味付け、c.可視化、d.共有、e.評価」を実装するためのものになる。 さらに、学習を人と人との間あるいは人とモノの間の協調関係の構築過程で発生するものとする社会的構成主義の学習観に則った、新しい指導方法を明らかにした。特に、協調関係構築時の相互作用のパターンを9つに分類してマトリクスで示すことで、きめ細かい関わり・支援を考える基礎とした。これは、保健室におけるアクティブ・ラーニングにあり方を提案するものでもあり、平成27年度以降の実践を通して、その効果と課題を明らかにすることになる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りに進んでいるが、学内での改革事業立ち上げにより多少の遅れがみられる。特に、システム開発完了のためにあと少し時間が必要になる。
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Strategy for Future Research Activity |
子供理解のための問題構造可視化システムの開発・実装と運用試験を行う。 合議による問題解決における情報の媒介のあり方や、創造的問題解決における情報間の関係と意味の活用について、さらにポートフォリオによる情報の蓄積と評価方法の考え方を取り入れ、XMLによる意味情報を付与した情報関係表現機構をデータベースに実装し、システムのテストをする。 システム完成後に、大学の養護教諭養成課程において試験運用し、データを取得・分析する。その上で、システムの改良を行う。
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Causes of Carryover |
システム開発に必要な基礎データベース作成が遅れたため、システム開発・試験に必要な物品購入を平成27年度へ先送りした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度は、システム開発を完了させて試験運用と実践開始する予定であり、それに必要になる物品を購入する予定である。
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