2014 Fiscal Year Research-status Report
算数の教科学習の系統性と関連させた算数障害スクリーニング検査の作成
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26381306
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
熊谷 恵子 筑波大学, 人間系, 教授 (10272147)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 算数学力検査 / 学習指導要領 / 学習の順序性 / 問題の系統性 |
Outline of Annual Research Achievements |
検査の開発のために、まず、今年度は、多くの地域で行われている学力検査(いわゆる業者テスト)の問題間において、2つの問題間の関係から、上位下位に分け、どのような問題がどのような問題よりも先にできなければならないとなっているのか、その系統性を抽出し検討した。 小学校4,5,6年生の学力検査、それぞれ各5000名のデータを、A研究所より譲り受け、そのデータを分析した。なお、筑波大学研究倫理審査委員会の許可を得て、A研究所に同意を得て実施した。その結果、4年生の学力検査では55%、5年は45%、6年生が41%と、抽出された系統性が、学習指導要領の定める学習の順序性、系統性と一致する率は、学年を経るごとに低くなっていった。 その内容を詳細に分析すると、学習指導要領の順序性、系統性に合わない上で、学力検査の結果に影響を与える要素が,問題の難易度、解答者の問題形式への慣れ、計算式等に使われる数値の問題など、いくつか挙げられた。 このような学習指導要領の学習の順序性や系統性以外の要因の影響が少ない学力検査を作成するために考慮しなければならない課題が挙げられた。また、一般の子供たちのデータを取るため、iPadでのデーター収集を考えており、それに必要なアプリケーションは以前作成されたものを、新しいOSで作動するように、業者に依頼し、改良を加えてもらった。 算数に困難のある事例については、大学の教育相談室を通して、アセスメントと指導は行っている。今回のスクリーニング検査に関連する事例は、4事例ある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
スクリーニング検査を作成するためには、具体的な課題や問題、その中で使われる数値について、検討しなければならない。それを平成26年度に行ったことになる。 また、平成27年度に作成するスクリーニング検査の構成要素やそれぞれにおける各問題についての大枠はできた。 また、算数に困難のある子供たちの個別のアセスメントやそれに応じた指導については、逐次行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、筑波大学研究倫理審査を通した上で、少なくとも2つ以上の小学校に依頼し、通常学級にいる子供たちに対してiPadで検査を実施してもらい、それらのデータの特徴を分析によって求める。 また、大学の教育相談室に来談する事例をそのデータに照らし合わせて、特徴を分析する。
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Causes of Carryover |
スクリーニング検査に関するアプリケーションの更新費用が当初計画していたものとは異なり、それほどかからなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年は、データを収集するに当たり、旅費等が発生してくるため、それに当てることにする。
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