2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a program to improve the self-management skills for female individuals with autism spectrum disorder
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26381333
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Research Institution | Nagoya University of Arts and Sciences |
Principal Investigator |
黒田 美保 名古屋学芸大学, ヒューマンケア学部, 教授 (10536212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻井 正次 中京大学, 現代社会学部, 教授 (20257546)
川久保 友紀 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (40396718) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 自閉スペクトラム症 / 女性 / 性差 / 自己マネージメント / 高機能 / 青年期 / 成人期 / 小集団 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,これまでの研究に基づいて作成した,ASD女性に特化した小集団による自己マネージメント・プログラムを,青年期と成人期の自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder 以下:ASD)の診断を受けている女性に実施し,その効果を検証した。(方法)参加者:中学生から大学生までの女性4名および成人女性4名。手続き:青年期群は,キャンプにおいて3日間連続で実施した。また,成人期群は1回約90分のセッションを毎週6回実施した。プログラムは,どちらも自己マネージメントに関するものであるが,年齢によりプログラムの内容は若干異なっている。介入効果は、青年期群では,自記式の日本語版KINDLR(子どもを対象としたquality of lifeを評価する尺度)および親記入によるSDQ(Strengths and Difficulties Questionnaire:多面的に行動上の問題スクリーニングする尺度)を使って検討した。成人期群では,WHO-QOL,BDI-II(Beck Depression Inventory-Second Edition:抑うつ状態を調べる尺度), LSAS(Liebowitz Social Anxiety Scale:社交不安を測る尺度)を用いた。(結果)両群とも,数値的には大きな変化はみられなかったが,青年期では,親から自立的行動の向上などが報告された。成人期では,参加することで安心感が得られたという報告があった。(考察)ASD女性への小集団による自己マネージメント・プログラムについては,数値的な改善はみられなかったが,参加者からはポジティブな変化が報告され,ASD女性に特化したプログラムに一定の効果があったと考えられた。今後は,年齢にあったプログラムの精緻化とともに参加者の人数を増やして検討を続ける必要がある。
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